コールセンターのAI革命!3つのAI搭載型CRMを徹底比較

現代のビジネス環境では、顧客対応の効率化と質の向上が求められています。

その中で、AI搭載型CRM(顧客関係管理)システムの導入は、コールセンターの運営において重要な役割を果たしています。

本記事では、AI搭載型CRMの基本的な機能と、それぞれのシステムの特徴、そして導入時の注意点について詳しく解説します。

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AI搭載型CRMとは?

AI搭載型CRM(顧客関係管理)システムは、人工知能技術を活用して顧客との関係性を管理・強化するためのツールです。従来のCRMシステムにAI機能を統合することで、データの分析や業務の自動化を高度化し、顧客対応の質を向上させます。

以下は、AI搭載型CRMの主要な機能とそのメリットについて詳しく説明します。

音声認識と文字起こし

AI搭載型CRMは、顧客との通話内容をリアルタイムで音声認識し、文字起こしします。これにより、オペレーターは通話内容を正確に記録でき、後から簡単に確認することができます。また、通話中のメモ作成の手間が省けるため、オペレーターは顧客対応に集中できます。

感情分析

感情分析機能により、AIは顧客の声のトーンや言葉遣いを解析し、顧客の感情をリアルタイムで判断します。例えば、顧客が怒りや不満を感じている場合、システムはオペレーターに警告を発し、適切な対応方法を提案します。これにより、顧客満足度の向上が期待できます。

リアルタイムの応対支援

AIは顧客との対話内容を解析し、オペレーターに対してリアルタイムで応対のアドバイスを提供します。例えば、顧客の質問に対する最適な回答を提案したり、関連する情報を迅速に提供したりすることができます。これにより、応対のスピードと質が向上します。

自動レポート生成

AI搭載型CRMは、顧客対応の結果を自動的に整理し、レポートを生成します。これにより、管理者はオペレーターのパフォーマンスや顧客の傾向を簡単に把握できます。レポートには、対応時間、解決率、顧客のフィードバックなどが含まれ、業務改善に役立ちます。

予測と分析

AIは過去のデータを基に顧客の行動やニーズを予測し、対応策を提示します。例えば、顧客が過去にどのような問い合わせをしてきたかを分析し、将来的な問い合わせ内容を予測することができます。これにより、事前に準備を整え、迅速な対応が可能となります。

AI搭載型CRMのメリット

業務効率の向上

AIがオペレーターの業務を支援することで、効率が向上し、対応時間が短縮されます。

顧客満足度の向上

高度な分析とリアルタイム支援により、顧客のニーズに迅速かつ適切に対応できます。

データ活用の高度化

AIが大量のデータを迅速に処理・分析し、有益なインサイトを提供します。

AI搭載型CRMは、コールセンター業務の効率化と顧客満足度の向上に大きく貢献します。これからのビジネス環境において、AI搭載型CRMの導入はますます重要性を増していくことでしょう。

3つのAI搭載型CRMを比較

Salesforce Service Cloud Einstein

「Service Cloud Einstein」は、カスタマーサービスに特化されたAIです。 複雑なAIや機械学習の知識が必要なく、スイッチを入れるだけで自動で学習し、オペレータの業務にAIを活用できます。 AIによる問い合わせの分類はサービス担当者の業務負荷を軽減するだけでなく、問い合わせの分析業務にも活用できます。

強み
SalesforceのCRMと連携したチャットボットです。 CRMとつながった独自のチャットボットはお客様のことを理解でき、これまでになく簡単に作成可能で、ビジネスプロセスとも容易につなげることができます。基本的にマウス操作だけで、複雑なフローの構築やコーディングは必要ありません。

■用途
・チャットボットで顧客のセルフサポートを実現 
・オペレータの問い合わせ対応時の作業負荷を軽減 
・問い合わせの分析業務を支援
【参考】https://aismiley.co.jp/product/einstein-for-service/

Zendesk AI

膨大なカスタマーサービスデータを基に構築されたZendesk AIは、よりスマートな会話やAIエージェントから、エージェントの生産性向上ツールや管理者向けの新しいインサイトと即座のアクションまで、サービス体験のあらゆる側面を強化します。

強み
自動応答機能やインテリジェントルーティング機能が備わっています。
また、使いやすいインターフェースにより、オペレーターの負担を軽減することが可能です。

■用途
・チャットボットを活用することで24時間365日の顧客対応が実現
・ナレッジをすぐに追加・更新したいときにもスピーディに対応
・回答テンプレート提案機能による業務効率化
【参考】https://zeq.co.jp/zendesk/column/what-is-zendesk-ai

デコールCC.CRM AI音声認識・AI自動要約

デコールCC.CRMは、利便性を徹底的に追求しているコールセンター向けのCRMシステムです。AIによる「リアルタイム音声認識」や「自動要約」が可能なのでオペレーションの生産性・品質を向上させることが可能です。

強み
スクロール不要なワンビューでの画面設計や約20年にわたり積み重ねてきた経験・ノウハウ・技術を基に、コールセンター業務に必要な多くの機能を装備。270社8300席・2100テナントへの豊富な導入実績があります。
また、システム導入後もサポートが充実しています。

■用途
・会話のテキスト化と自動要約で対応内容の入力時間短縮
・自動音声認識で顧客の課題を即時に把握、質問に対して迅速な回答が可能に
・会話の中からキーワードを自動抽出し、必要な情報を自動レコメンド
【参考】https://gigxit.co.jp/cloud-products/callcenter_crm_system/cloud/

AI搭載型CRMの選び方

AI搭載型CRMを選ぶ際には、以下の点を考慮する必要があります。

1.カスタマイズ性・スケーラビリティ
自社のニーズに合わせてカスタマイズできるか、将来的な拡張に対応できるか。

2.既存システムとの相性
既存のITインフラとの互換性があるか?互換性がない場合、連携できないため必ず導入前の調査が必要です。

3.費用対効果
初期導入費用や運用コストに見合う効果が得られるか。

4.サポート体制
導入後のサポートが充実しているか。
システム導入後の電話・メール・リモート保守サービスがあるかどうか確認しましょう。

AI搭載型CRM導入時の注意点

AI搭載型CRMを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

オペレータのトレーニングを十分に行う

新しいシステムを使いこなすためのトレーニングは時間をとって十分に行いましょう。またトラブルが起こったときなどの対策も必要です。

プライバシーとセキュリティ

顧客情報の取り扱いに関するプライバシー保護とセキュリティ対策を徹底しましょう。
これはAI技術の発展とともにより強化されていくと考えられます。

AI搭載型CRMは、コールセンターの業務効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。適切なシステムを選び、導入時の注意点を押さえることで、顧客満足度の向上と業務の最適化を実現しましょう!

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太