AIで顧客とのコミュニケーションを強化!
コールセンターの応対品質の評価方法とは

コールセンターに勤務していると、『応対品質』という言葉をよく耳にすると思います。「応対品質とはどういうこと?」「自社のコールセンターの応対品質を向上させたいが、どのような施策を行えば良い?」そのような疑問を抱いている方も多いことでしょう。
コールセンターにおける『応対品質』は、顧客とのコミュニケーションにおけるレベルや基準を指します。電話対応をするときに、顧客が求めている情報を正しく伝えることが出来るか、また、言葉遣いや傾聴力、共感力といった要素を持ち合わせている必要があります。これらの要素が十分に満たされていれば「応対品質が高い」と言えるでしょう。この記事では、応対品質評価とは何か、AIによる応対品質評価のメリットデメリットについてご説明します。
【関連記事】AIの活用でコールセンターはどう変わる?AI技術の躍進

応対品質評価の基準

コールセンターにおける『応対品質』は、顧客とのコミュニケーションにおけるレベルや基準を指しますが、具体的にどのように評価するのでしょうか。代表的な評価項目を見てみましょう。
【参考】コールセンターのKPIとは?KPIの重要性と種類

通話分析

通話分析より、コミュニケーションの品質と、応対スピードを評価します。
・トークの割合:話すと聞くの比率はどの程度か
・ラリー回数:会話のラリーは何回か
・トークスピード:オペレーターが話すスピードはどれくらいか
・被り回数:顧客が話をしている時に、話を被せていないか
・沈黙回数:会話途中で沈黙する回数

顧客満足度(CSAT)

顧客満足度(CSAT/Customer Satisfaction)とは、企業が提供するサービス、サポートに対して、どれだけ顧客が満足しているかを示す指標のことです。コンタクトセンターでは、応対終了後に、「サポートに満足しましたか」といった簡単な顧客満足度アンケートが行われることが一般的です。

平均応答時間(AHT)

平均応答時間(AHT/Average Handling Time)とは、顧客からの問い合わせに対して、最初の応答が行われるまでの平均時間を指します。1件あたりの対応時間を短縮することで生産性は向上しますが、あまりにも急いで対応するとサービスが雑になり、顧客の満足度が低下する可能性があります。

一次解決率(FCR)

一次解決率(FCR/First Call Resolution)とは、1回の応対で問い合わせを解決できた割合のことです。 コールセンターの着信総数に対して、転送やコールバックなしで顧客の問題を解決できたかを示します。

良い応対をするために

良い応対をするために、コミュニケーション力や、情報の正確さと丁寧さ、問題解決への迅速なアプローチがあげられますが、それぞれチェック項目を分かりやすく具体化することで、正確なフィードバックを行うことができ、質をさらに高める事ができます。
【参考】コールセンターの応対品質とは?評価方法や改善のポイント、チェック項目を解説

明確なコミュニケーション

電話では、相手の顔が見えないため、声だけで顧客がオペレーターに対して良い印象を抱くことは重要な要素です。具体的な評価項目の例は次の通りです。
・第一声が明るく、聞き取りやすいか
・丁寧な言葉づかいで対応しているか
・ハキハキと対応できているか
・顧客の要望や質問を正確に理解できているか

プロフェッショナリズムと丁寧さ

顧客は、一度の問い合わせで問題の解決を期待しているため、顧客の要望を正確に理解し、応対する事は重要な要素です。具体的な評価項目の例は次の通りです。
・顧客の悩みや疑問点を解決できたか
・顧客が気づいていない悩みを引き出し解決できたか
・顧客の要望にすべて対応できたか

問題解決への迅速なアプローチ

顧客は、素早い回答を期待しており、対応に時間がかかると、ストレスや不満が生じる可能性があります。そのため、問題解決への迅速なアプローチは重要な要素です。具体的な評価項目の例は次の通りです。
・オペレーターにつながるまでの転送回数は適切か
・オペレーターにつながるまでの保留時間は適切か
・顧客の悩みや疑問点がスムーズに解決されたか
・顧客がオペレーターの説明を聞き返すことがなかったか

AIによる応対品質評価

コールセンターのオペレーターは、経験やスキルによる応対のばらつきがあり、日々の多くの問い合わせに対する情報共有が滞りがちです。しかし、AIを導入することで、オペレーターの業務をサポートすることができ、応対品質を向上させることができます。

【参考】コールセンターにAIを導入するメリット|活用方法・注意点も解説

音声認識と自然言語処理(NLP)

AIの音声認識機能は、顧客とオペレーターの会話をコンピューターに理解させることで、会話内容をテキスト化できます。 即時にやり取りをテキスト化し、記録を自動で残してくれるので、オペレーターによる記録作業を省略できます。また、会話をテキスト化することは、管理者にとっても有益です。すべての会話をテキストで確認できるため、「改善点はなかったか」「より良い対応はできなかったか」といった業務の評価やノウハウの共有が容易になります。

感情分析の導入

顧客やオペレーターの発話や書き込みなどのテキストデータや音声データ(声色や抑揚、イントネーションなど)から感情や態度を抽出し、分析できます。対話における感情の動きを即時に感じ取り、お知らせしてくれるので、相手の不快感が高まった場合には上席が対応するように案内するなど適切な対応を取りやすくなります。

AI導入の利点と課題

AIを導入する事で、応対品質評価の質を上げることができますが、導入においてメリットとデメリットがあります。今回は主な3つをご紹介します。

顧客対応スキルの向上

オペレーターのスキルを均一化し、誰が対応しても差のない応対品質を提供できる ので、顧客満足の向上にも貢献できるでしょう。またオペレーター同士の経験や知識を共有しやすく、スキルの偏りを防ぐことにも繋がり、教育しやすい環境を整えます。

客観的で公平な評価

AIによる評価は通常、明確な基準やルールに基づいて行われます。これにより、主観的な意見や個々の経験に左右されることなく、客観的な基準に基づいて評価が行われ、評価の一貫性が確保されます。

分析精度と処理速度の問題

AIシステムの導入自体はスピーディにできたとしても、すぐに最善の状態で活用出来るわけではありません。AIを利用する際には、事前にデータを登録して学習させておく必要があります。そして、AIを運用し、データを蓄積することで認識や分析の精度を向上させて行きます。このため、AIが精度の高い認識や分析ができるようになるまでには時間が必要です。

コールセンターの応対品質向上のためにAI導入

コールセンターの応対品質を向上するためには管理者による適切な管理が必要です。徹底した管理にはやるべきことが数多くあるため、他の業務と兼任している場合は大きな負担となり、手が回らない状態になりがちです。

ギグワークスクロスアイティでは、コールセンターの業務における企業さまの課題に寄り添い、適切なAI技術を導入することで高品質な電話応対が可能です。コールセンターへのAI導入を検討中の企業さまは、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太