kintoneとOffice 365を徹底比較!

デジタル化が進む現代のビジネス環境において、業務効率化は企業の競争力を左右する重要な要素となっています。本記事では、注目を集める2つのプラットフォームであるkintoneとOffice 365を徹底比較し、それぞれの特徴や強みを解説します。あなたの企業に最適な業務効率化ツールを見つけるためのガイドとしてご活用ください。

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kintoneとOffice 365の概要

kintoneとOffice 365は、それぞれ異なるアプローチで業務効率化を実現するプラットフォームです。両者の基本的な特徴を理解することで、自社の需要に合ったツールを選択する手がかりが得られます。

業務効率化の重要性

デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、業務効率化は企業の生産性向上と競争力強化に直結します。適切なツールの選択と活用が、この課題解決の鍵となります。2025年現在、企業の競争力を左右する重要な要素として、業務効率化の重要性はますます高まっています。DXを推進するプラットフォームとして、情報の共有・連携、業務フローの標準化・自動化による業務効率化や生産性の向上を実現することが求められています。

kintoneの特徴

kintoneは、サイボウズ社が提供するクラウド型のビジネスアプリ作成プラットフォームです。

ノーコードでのアプリ開発

プログラミング知識不要で業務アプリを作成可能です。これにより、業務に合わせた柔軟なアプリケーション設計、IT部門に依存しない迅速なシステム構築が可能となります。

カスタマイズ性

JavaScriptやCSSを用いた高度なカスタマイズが可能です。これにより、企業独自の業務プロセスに合わせたアプリケーションの開発が可能となります。

コラボレーション機能

リアルタイムでの共同編集、コメント機能、通知機能などが標準で搭載されており、チームのコミュニケーションを活性化し、業務の可視化を実現することを目的としています。

API連携

外部システムとの連携が容易です。既存のシステムとの統合や、より複雑な業務プロセスの自動化が可能です。

クラウドベース

すべてのデータがクラウド上で管理されることにより、リアルタイムでのデータ更新と共有、場所を選ばないアクセス性、データバックアップの自動化、セキュリティの向上などのメリットがあります。

業務改善プラットフォーム

kintoneは単なるアプリ作成ツールではなく、組織全体の業務改善を目的としたプラットフォームとして位置付けられています。

料金プラン

kintoneは初期導入コストが比較的高いものの、長期的には業務効率化によるコスト削減が期待できます。2025年2月現在、スタンダードコースは月額1,500円/ユーザーとなっています。

Office 365の特徴

Microsoft社が提供するクラウドベースの統合型オフィススイートです。

統合型オフィスアプリケーション

Word、Excel、PowerPointなどの馴染みのあるアプリケーションとシームレスに連携することができ、既存の業務フローとの親和性が高いです。

Power Platform

PowerAppsとPower Automateにより、ローコード/ノーコードでのアプリ開発と自動化が可能です。これにより、IT部門に依存せずに業務アプリケーションの開発や業務プロセスの自動化が可能となります。

コラボレーション機能

Teamsを中心としたコミュニケーション環境により、チーム間の情報共有やプロジェクト管理が効率化されます。

グローバル対応

多言語サポートが充実しており、国際的な企業や多言語環境での使用に適しています。

セキュリティ機能

Microsoftの高度なセキュリティ機能を活用でき、グローバル基準のセキュリティ対策が実現できます。

拡張性

Microsoft製品との高い親和性により、既存のシステムとの連携や機能拡張が容易です。

料金プラン

Office 365は多様な料金プランがあり、企業規模や必要な機能に応じて選択可能です。2025年2月現在、Microsoft 365 Business Basicは月額650円(税抜)/ユーザーから利用できます。

両プラットフォームは、それぞれ独自の強みを持つ優れた業務効率化ツールです。企業の規模、業種、既存のITインフラ、そして将来の成長戦略を考慮し、最適なプラットフォームを選択することが重要です。2025年の現在、これらのツールを効果的に活用することが、企業の持続的な成長と競争力強化の鍵となっています。

kintoneとOffice 365の比較

両プラットフォームは、それぞれ独自の強みを持っています。以下、主要な観点から比較を行います。

得意な業種・事業規模

kintone

中小企業から大企業まで幅広く対応しています。特に、柔軟な業務プロセス管理が必要な業種に適しています。kintoneは、カスタマイズ性が高く、業務に合わせた独自のアプリケーションを容易に作成できるため、製造業や小売業など、独自の業務フローを持つ企業に適しています。

Office 365

あらゆる規模の企業に対応しています。特に、Microsoft製品との親和性が高い環境で強みを発揮します。既存のMicrosoft製品を使用している企業や、グローバルな事業展開を行っている企業に適しています。

導入・運用コスト

kintone

初期導入コストは比較的高いものの、長期的には業務効率化によるコスト削減が期待できます。2025年2月現在、ライトコースは月額1,000円/ユーザー、スタンダードコースは月額1,800円/ユーザーです。

Office 365

多様な料金プランがあり、企業規模や必要な機能に応じて選択可能です。Microsoft 365 Business Basicは月額650円(税抜)/ユーザーから利用できます。Office 365は、kintoneと比較すると比較的安価な料金設定となっています。

学習の容易さ

kintone

直感的なインターフェースにより、ITに詳しくないユーザーでも比較的容易に操作できます。kintoneは国産製品であり、操作マニュアルやガイドブックも豊富に用意されているため、スムーズに使い始められる点が特徴です。

Office 365

広く普及しているOfficeアプリケーションをベースとしているため、多くのユーザーにとって馴染みやすい環境です。ただし、Power Appsなどの高度な機能については、kintoneほど直感的でない部分もあります。

カスタマイズ性

kintone

ノーコードでのアプリケーション構築が可能で、APIを利用した高度なカスタマイズも可能です。JavaScriptやCSSを用いたカスタマイズにより、企業独自の業務プロセスに合わせたアプリケーションの開発が可能です。

Office 365

Power Platformを活用することで、高度なカスタマイズと自動化が実現可能です。特に、ExcelやSharePointなど、他のMicrosoft製品との連携が容易である点が強みです。

モバイル対応

kintone

モバイルアプリが提供されており、外出先からのアクセスも容易です。これにより、場所を選ばずに業務を遂行することが可能です。

Office 365

各種アプリケーションのモバイル版が提供されており、デバイスを問わず利用可能です。特に、Teamsなどのコラボレーションツールは、モバイル環境でも高い利便性を提供します。

セキュリティ対策

kintone

独自のセキュリティ対策が施されており、日本の法令に準拠したデータ管理が可能です。IPアドレス制限、セキュアアクセス、2要素認証などの機能により、高度なセキュリティを実現しています。また、ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)やISO/IEC 27017(クラウドサービスセキュリティ)の認証を取得しています。

【参考】kintone(キントーン)- 安全に使うために重要な7つの対策

Office 365

Microsoftの高度なセキュリティ機能を活用でき、グローバル基準のセキュリティ対策が実現できます。多層的な暗号化、高度な脅威保護、コンプライアンス機能など、包括的なセキュリティソリューションを提供しています。

両プラットフォームは、それぞれ独自の強みを持つ優れた業務効率化ツールです。kintoneは柔軟なカスタマイズ性と直感的な操作性が特徴であり、日本企業のニーズに適した機能を提供しています。一方、Office 365はMicrosoft製品との高い親和性とグローバル対応が強みです。

企業の規模、業種、既存のITインフラ、そして将来の成長戦略を考慮し、最適なプラットフォームを選択することが重要です。また、BizteX Connectのようなツールを活用することで、kintoneとOffice 365を連携させ、両者の長所を活かしたシステム構築も可能です。

2025年の現在、これらのツールを効果的に活用し、継続的な改善を行うことが、企業の持続的な成長と競争力強化の鍵となっています。

どちらを選ぶ?業務改善の最適なアプローチ

kintoneとOffice 365、どちらを選択するかは企業の特性や目的によって異なります。ここでは、選び方のヒントと導入の手順について説明します。

選び方のヒント

カスタマイズ性の高さが求められる場合

製造業で生産管理や品質管理のための独自のアプリケーションが必要な場合はkintoneが適しています。柔軟な拡張性を活用できます。kintoneは、ノーコードでのアプリ開発が可能で、業務に合わせた柔軟なアプリケーション設計が可能です。例えば、製造ラインごとの生産状況モニタリングや、品質管理チェックリストの電子化など、企業独自のプロセスに合わせたアプリケーションを容易に構築できます。また、APIを利用した高度なカスタマイズも可能なため、既存のシステムとの連携や、より複雑な業務プロセスの自動化も実現できます。

既存のMicrosoft製品との高い互換性が必要な場合

財務部門でExcelを多用しており、そのデータを活用したアプリケーション開発が必要な場合にはOffice 365が適しています。Office 365は、ExcelやSharePointなど、他のMicrosoft製品との連携が容易です。例えば、Excelで管理している財務データをPower AppsやPower Automateと連携させることで、予算管理アプリケーションや経費申請システムを効率的に構築できます。また、Power BIを活用することで、財務データの可視化や高度な分析も可能になります。

日本企業向けの機能が必要な場合

日本の商習慣に適したワークフローを構築する必要がある場合にはkintoneが適しています。kintoneは日本の法令に準拠したデータ管理が可能で、日本企業のニーズに適した機能を提供しています。例えば、稟議システムや印鑑管理など、日本特有の業務プロセスに対応したアプリケーションを容易に構築できます。また、日本語でのサポートが充実しているため、導入や運用時の問題解決がスムーズに行えます。

グローバル対応が必要な場合

海外拠点とのコラボレーションが頻繁にある多国籍企業の場合は、Office 365の多言語サポートが有効です。Office 365は、多言語サポートが充実しており、国際的な企業や多言語環境での使用に適しています。特に、2025年初頭から提供開始予定のMicrosoft 365 Copilotの新機能である音声同時通訳機能は、グローバルなビジネスコミュニケーションにおいて言語の障壁を取り除くことができます。この機能は、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の計9言語に対応しており、Teams会議での言語の壁を取り除き、参加者がそれぞれ希望する言語で会話を行えるようになります。

導入の手引き

現在Excelで管理している従業員50名程度の製造業者。在庫管理や受発注プロセスの効率化が課題となっている。

kintoneの場合

  1. 現状分析: 既存のExcelでの在庫管理や受発注プロセスを分析し、改善が必要な点を洗い出します。
  2. パイロットプロジェクト選定: 在庫管理アプリを最初のプロジェクトとして選定します。
  3. データ移行: 在庫データをCSV形式でエクスポートし、kintoneにインポートします。
  4. アプリ開発: kintoneの直感的なインターフェースを使用して、在庫管理アプリを開発します。
  5. ユーザートレーニング: 倉庫担当者や購買担当者にkintoneの基本的な操作方法についてトレーニングを実施します。
  6. 段階的な展開: 在庫管理アプリの成功を基に、受発注プロセスのアプリ開発に着手します。

Office 365の場合

  1. 現状分析: 既存のExcelでの在庫管理や受発注プロセスを分析し、改善が必要な点を洗い出します。
  2. ライセンス選択: 必要な機能に応じて適切なOffice 365プランを選択します。
  3. データ移行: 在庫データをOneDriveやSharePointに移行します。
  4. Power Platform活用: Power AppsとPower Automateを使用して、在庫管理アプリと自動発注フローを構築します。
  5. ユーザートレーニング: 倉庫担当者や購買担当者にPower Appsの使用方法についてトレーニングを実施します。
  6. 段階的な展開: 在庫管理システムの成功を基に、受発注プロセス全体のデジタル化を進めます。

どちらのプラットフォームを選択する場合も、既存のExcelデータを活かしつつ、新しい機能や効率化の可能性を探ることが重要です。段階的な導入により、リスクを最小限に抑えながら、業務改善の効果を最大化することができます。

ツールを適切に選択して業務効率化を実現!

kintoneとOffice 365は、それぞれ独自の強みを持つ優れた業務効率化ツールです。企業の規模、業種、既存のITインフラ、そして将来の成長戦略を考慮し、最適なプラットフォームを選択することが重要です。さらに、選択したツールを効果的に活用するためには、継続的な学習と改善のサイクルを確立することが不可欠です。デジタル変革の時代、適切なツールの選択と活用が、企業の持続的な成長と競争力強化の鍵となるでしょう。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太