導入事例| マックス株式会社様

導入の効果

FAQの充実によりお客様の自己解決率が向上
一日の対応件数が100件ほどあり少人数でのお客様対応に苦慮していたが、ホームページのFAQに画像や動画などを掲載した結果お客様の自己解決率が上がり、入電件数が減少し業務負担が軽減できた。

音声認識とAI要約を導入し終話後の入力作業を効率化
履歴入力している文章が画一的で、お客様の状況を正確に把握できないことや、オペレーターの主観で記入してしまうため、お客様の声を正確に記録できなかったが、音声認識や要約機能を活用することで、お客様の生の声を数秒で文章化できるため精度もアップし終話後の入力作業が効率化できた。

日本の精密なモノづくりを継承

マックス株式会社は1942年に、当時、最高水準の金属加工技術が必要とされていた航空機部品メーカーとして創業しました。戦後、事務機器の生産を開始し、1952年に国産初の小型ホッチキスを開発。これを皮切りに、オフィス機器事業を展開し、タイムレコーダ、表示作成機「ビーポップ」、ラベルプリンタなど、個人・オフィス向けの幅広い製品を提供しています。
同社の技術力は、オフィス機器にとどまらず、建築・建設分野にも及び、1958年に国産初の手動式釘打機、1962年には国産初のエア式ネイラを発売し、機工品事業として釘打機や鉄筋結束機などのプロ向け工具を展開します。さらに、結束技術を応用し、1969年には農業・園芸用の誘引結束機を発売しました。
これにより、農業(Agriculture)と食品(Food)分野を扱うAF事業へと進出しました。この事業では、農業用誘引結束機や食品用袋口結束機が国内外で使用されています。
2000年からは住環境機器事業にも参入し、浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」をはじめ、壁掛型暖房機、床暖房システム、住宅用火災警報器など、快適な住環境を実現する製品を提供しています。各事業は、歴史的・技術的に密接に関連しており、創業以来培ってきた精密な金属加工技術や線材加工技術を基盤としています。「使う人が満足するモノづくり」という理念のもと、徹底した現場主義・顧客主義を貫き、世界初、国産初、トップシェアの製品を生み出し続けています。

VOCを活かしたCX向上を目指して

マックス株式会社は、顧客体験(CX)向上を目指し、顧客の声(VOC)を活用した取り組みを積極的に展開しています。顧客接点としてのコールセンターは、オフィス機器事業・機工品事業・AF事業と、住環境機器事業を担当する2つのカスタマーサポートセンターに大別されます。両センターは、CX向上という共通のミッションを掲げており、その実現のためにVOC分析による問題点の洗い出し、把握した課題に対する改善活動の実施、お客様との双方向コミュニケーションの実現という3つの重要な取り組みを行っています。
これらの取り組みを循環させることで、継続的なCX向上を目指しています。
具体的な施策として、自己解決率の向上に注力しています。これは、ホームページを中心とした情報提供の充実を通じて実現を図っています。従来の電話による対応に加え、電話・メールやチャットボットの導入を進め、24時間対応可能な体制を構築しています。その中で特に力を入れているのはお客様の自己解決力を高めるためのFAQ情報充実です。お客様向けFAQの拡充や、センター内向けFAQの作成・更新も行っています。

VOCを活用したCX向上に向け、デコールCC.CRMシリーズの新機能であるリアルタイム音声認識による応対内容のテキスト化とAI要約機能を導入し、お客様の生の声が記録・蓄積されたことで、コールセンターの業務が大きく変革されました。
渡邉様は「オペレーター全員が電話を受けるだけの仕事から脱却して、VOCを活用する戦略的な活動にシフトできるようになりました。特に、応答品質スコア機能の導入により、応対品質を数値化できるようになり、データに基づいた新製品開発や既存製品の改善、製品の品質向上が可能になってきました」と話されていました。
さらに、「この取り組みの将来的な展望として、単なる応対品質の向上だけでなく、収集したお客様の声や意見を、製品開発や改善などのより広範囲な分野に活用していき、よりお客様ニーズに合った製品開発をしていきたい」と話されていました。

すべての部署でお客様の生の声が活かせる環境を

現在、デコールCC.CRMを活用して、お客様の生の声を全社的に活かす環境づくりに取り組んでいます。
VOCの収集と活用を通じて、顧客体験の向上と製品開発の改善を目指しています。
デコールCC.CRMの基本機能に加え、独自のカスタマイズを行うことで、より精密なVOC収集と活用を推進しており、具体的には感謝の声の分析、NGワード・否定的ワードの監視、カスタマーハラスメント関連単語の追跡、インシデント管理という4つの取り組みを実施しています。
これらの取り組みにより、オペレーターの応対品質をデータで可視化し、個々の状況を正確に把握できるようになりました。さらに、カスタマイズされた単語チェック機能により、より詳細な情報をリアルタイムで取得できるようになっています。新保様は「この取り組みを製品開発やマーケティングなど、各部署の役割に合わせて拡大していく展望を示していきたい。そのために、蓄積されたお客様の生の声を生成AIなどで詳細に解析・分析することを検討しており、期待を寄せています。」話され、この革新的な取り組みは、“良い製品を責任をもって供給する”という社是に基づいており、VOCを起点とするCXや製品の改善・開発への独自のアプローチとして、社内外から注目を集めています。マックス株式会社は、この取り組みを通じて、顧客満足度の向上と製品品質の改善を同時に達成することを目指し、お客様の声を全社的に活用する環境を整備することで、よりお客様中心のビジネス戦略を強化し、持続的な成長を実現しようと考えています。

この記事を書いた人

XIT編集部 リポーター 内堀絵莉奈