仮想通貨に用いられるブロックチェーンとは?基礎知識と可能性を解説

近年、様々な仮想通貨が誕生し、世界の仮想通貨取引所で売買されるようになりました。特に日本国内の注目度は高く、2019年には日本の仮想通貨トレーダー数は世界2位にまで登り、2020年には金融商品取引法では規制対象に改正されています。

しかしながら、安全性や信憑性に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

多くの仮想通貨に用いられている技術はブロックチェーンと呼ばれるもので、取引を記録・管理する基盤技術です。現在では仮想通貨を初めとする金融業界以外でも、実用化に向けて実証実験の動きが加速しています。

今回はブロックチェーンの基礎知識と、メリット・デメリットを含め、今後の可能性について解説します。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、仮想通貨に用いられている基盤技術です。

データを運営企業がサーバで一元管理するのではなく、利用者の間で分散して管理するため改ざんが難しく、信頼性が高いと言われています。

総務省でも「組織を「つなぐ」ことで生産性向上をもたらすICT」として取り上げられているブロックチェーンについて、基本的な内容を確認していきましょう。

ブロックチェーンの定義

ブロックチェーンの普及や発展のため設立された一般社団法人日本ブロックチェーン協会では、2016年にブロックチェーンの定義を公開しています。

仮想通貨を意識した狭義のブロックチェーンと、広義のブロックチェーンの2つで定められており、用語の誤用をなくし議論の円滑化を図っています。

【参考】一般社団法人日本ブロックチェーン協会:「ブロックチェーンの定義」

ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンは、特定の取引データをブロックごとに暗号技術を用いて時系列で記録し、ネットワーク上で取引履歴を共有でき、生成されたブロックをチェーンのように繋いで蓄積する仕組みです。

運営がデータを一元管理することが主流になっていますが、複数のノードがデータを分散して情報を共有できる、P2Pネットワークを採用しているため、ブロックチェーンは相互に管理する分散管理になっています。

また仮想通貨では、PoW(Proof of Work)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが導入されていることが多く、膨大な計算作業を高速に行うことが可能です。

ブロックチェーンの種類

ブロックチェーンには、主にパブリック型、プライベート型、コンソーシアム型の3つの種類に分けられます。パブリック型はオープン型チェーンと呼ばれるのに対し、プライベート型とコンソーシアム型は許可型ブロックチェーンと言われています。

パブリック型は、管理者が不在で不特定多数のユーザーによって管理されているブロックチェーンです。取引データがインターネット上に公開されていることから透明性が高く、仮想通貨に用いられています。

プライベート型は、単体の管理者が存在し、限定されたユーザーのみが使用できるブロックチェーンのことです。パブリック型と比較すると透明性や公共性は下りますが、参加者が限られているためルール変更や取引の承認がスムーズに行われます。

コンソーシアム型は、複数の組織や企業などによって管理されているブロックチェーンです。パブリック型とプライベート型の中間に位置し、それぞれの組織でセキュリティ対策を講じるため、他の2つよりセキュアなシステムを構築することが可能です。

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンの一番の特徴は、改ざんが難しいことです。様々な暗号アルゴリズムを用いることでデータの改ざんを容易に検出できる仕組みがあり、高いセキュリティを担保できるだけでなくデータの透明性が高いと言われています。

またブロックチェーンは、多数の参加者が全ての取引をコピーして記録する自立分散システムのため、システム全体がダウンすることがありません。取引履歴を消すことができないので、取引の証拠として残すことができるのも特徴の一つと言えるでしょう。

これらの特徴から、ブロックチェーンは信頼性が高いため、仮想通貨などの金融サービス業界だけでなく、流通や公共事業でも注目されています。

ブロックチェーンのメリット・デメリット

ブロックチェーンはインターネットに匹敵する技術革新であると言われ、信頼性が高くシステムダウンしにくいなど多くのメリットがあります。その一方で、活用方法を間違えて削除を可能にしたいデータをブロックに入れてしまったり、悪意のある参加者を拒否できないなどのデメリットも存在します。

活用のメリットと懸念されるデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

ブロックチェーンを活用するメリット

ブロックチェーンは一度記録された情報は改ざんできないという特徴から、仮想通貨では取引履歴の記録で活用し、信頼性の高い台帳の作成が実現できます。

また自立分散システムにより信頼性を仕組みで担保できるので、透明性の高い台帳を事業者や不特定多数で共有することが可能です。

コスト面でも、中央一元管理をする際は仲介手数料が発生しますが、ブロックチェーンの技術を用いれば取引の安全性が保てるため、取引の低コスト化が期待できるでしょう。

懸念されるデメリット

一度記録された情報を削除できないため、必要に応じて削除を求められるデータに活用することができません。例として、個人からの要求に応じて削除する必要がある個人データは、別のデータベースに保管する必要があります。

また単一組織内でブロックチェーンを構成すると、すべてのコンピュータが管理下に置かれるため、改ざんされないという保証がないのもデメリットの一つです。

環境面においても、取引データが増えていくとトランザクションも増加するため処理時間が増大します。仮想通貨の発掘量も増えるため、採掘に必要なエネルギーが加速的に増加することになり、多量のエネルギーが必要になることが懸念されています。

ブロックチェーンの可能性

ブロックチェーンは適用範囲が広く、金融業界以外の業界にも注目されている技術です。

経済産業省で「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)」にて、ブロックチェーン技術が社会経済に与える可能性を述べています。

その中で、主に仮想通貨などの金融取引に活用できるブロックチェーンの可能性を確認していきましょう。

【出典】経済産業省:「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)」

スマートコントラクトによる取引の自動化・効率化

スマートコントラクトとは、「契約の自動化」を意味するプロトコルで、ブロックチェーン上であらゆる取引の自動化・効率化を実現することが可能です。取引の成立時に必要な条件をブロックチェーンに記録することで条件に満たした際に自動執行ができ、直接安全な取引を効率よく行うことができます。そのため決裁期間の短縮や不正防止が可能で、仲介者を介さずコスト削減にも繋がるでしょう。

また金融業界以外でも、スマートコントラクトとIoT(Internet of Things)と組み合わせた活用事例は国内外にあり、顔認証システムや自動車の鍵の管理などの身近なところでも活用されています。今後も、IoTシステムのセキュリティ対策のためにブロックチェーン技術を用いた多様なサービスが期待できるでしょう。

サービスやプラットフォームのインフラ化

自治体などがポイントやクーポンなどをブロックチェーンを活用して発行するケースがあります。発行されたポイントやクーポンが地域内外で流通すれば、地域の広告宣伝にもなり地域活性化に繫げることが可能です。

さらにポイントサービスなどが預金や貸出などの機能を有することで、景気対策以外にも様々な企業による仕掛けができ、参加者全員にとってメリットのある活用が望めるでしょう。

未来を変えるブロックチェーン

仮想通貨から始まったブロックチェーンの技術は、金融業の枠を超えて多くの業種で実運用に向けて実証実験や検証が加速しています。

ブロックチェーンは、取引データは分散管理で改ざんできないことから信頼性や透明性が高いメリットがある一方で、データの増加や必要に応じて削除ができないなどのデメリットもあるでしょう。しかし、ブロックチェーンをうまく活用することで、懸念されるデメリットも解消することが可能です。

ブロックチェーンへの理解や活用が広がることで、これからも様々な新しいサービスやビジネスモデルが生み出されるでしょう。未来を変える可能性を秘めたブロックチェーンの動向から目が離せません。

この記事を書いた人

ギグワークスクロスアイティ編集部