VOC活用はコールセンターとCRMとの連携で実現!

コールセンターに寄せられるお客様の声、つまりVOCは、企業にとって顧客のニーズを把握するための貴重な情報源です。ところが、「VOC」という言葉自体は知っていて、収集、分析まではできていても、その先の活用にうまく至っていない企業も少なくありません。

今回、企業にとって宝の山ともいえるVOCがなぜ重要なのかを理解し、VOCを企業にとって最大限有意義に活用する方法について解説します。VOCをただの情報で終えるのではなく、目的のための材料として生かせるようにしましょう。

VOCの重要性について

VOC(Voice of Custmer)は「お客様の声」を意味し、顧客から企業に入る様々な意見や要望、クレームなどを指します。代表的な収集場所として、コールセンターや商品のアンケートなどが挙げられます。

顧客ニーズ把握に欠かせないVOCの収集

顧客のニーズをいち早くつかめるVOCの収集は、企業にとって重要かつ有益な情報をキャッチする鍵と言えます。VOCは、企業の顧客満足度向上、サービスの質や売り上げアップの作戦を練り上げるための重要な材料です。また、顧客が求めていることは日々変化していくので、VOCを反映させた商品をより早く提供していくことも同時に求められます。

【関連記事】「VOC(お客様の声)とは?収集すべき目的と方法を解説」

宝を腐らせない!VOC分析の重要性

VOCを集めるだけでなく分析をすることは、顧客の要望や意見を提供するサービスや商品に反映させるために欠かせません。インターネットの普及などにより情報収集がより容易になった昨今、顧客の要望の変化スピードも上がっています。品質向上だけでは競合他社との差別化が難しい中、VOC分析によって、変わりゆく顧客の要望を迅速に反映していくことが、顧客満足度の向上につながると考えられます。

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VOC活用のポイント

収集したVOCを分析し、さらに企業にとってより効果的に活用していくためには、そもそも、なぜVOCを活用したいのか立ち返って目的を整理することが求められます。ここでは、VOCを活用するにあたって押さえたいポイントを詳しく見ていきましょう。

目的を明確にする

VOCの活用だけでなく全てのビジネスシーンで実行すべき項目でもありますが、まず始めに「何を成し遂げたいのか」「どのような種類のVOCが必要なのか」「必要なVOCはどこで収集できるのか」などの目的を明確に定めていきます。VOC活用のゴールを明らかにした上で逆算的に必要な情報や手段を定めていくと、より具体的に必要とされる分析方法や結果の管理の仕方、運用の方向性がはっきりとします。

社内の体制を構築する

明確な目的が定まったら、具体的なVOCの活用体制の構築を社内で進めていきます。例えば、収集手段としてコールセンターを活用する場合には、より具体的なデータを聞きやすくするためのトークスクリプトの設計、どのオペレーターでも対応できるような研修の実施が必要です。さらに、収集した情報を蓄積、管理していく方法を決定します。部署単位でVOCを保存し横展開ができなかったり、分散して格納されていると、全社的なVOC活用はうまくいかないので注意が必要です。

VOCを活用することのメリット

VOCの活用は、データ収集では手に入らないお客様の気持ちや心理を確認できることが強みです。実際にどのようなシーンでメリットとなるのか、具体的に解説します。

顧客の気持ちに寄り添った対応ができる

VOCを活用することで、顧客の不満にいち早く対応できることが大きなメリットと言えます。VOCを集約し分析することで、クレームまではいかないが気持ちとしてあるというような、クレーム予備軍ともいえる不満を把握することができます。包括的にVOC分析とその活用が進めば、ネガティブな反応をクレームになる前に改善した形でサービス提供につなげられるようになるでしょう。小さな気づきや不満へのスピード感ある対応は、顧客の満足度、信頼度の向上やファン離れ防止に繋がります。

新商品の開発に活かせる

新しい商品のアイデアやコンセプトなどを検証することにも役立てることができます。例えば、新商品開発時の社内での仮説について、実際に出回っている既存商品に対してのVOCの検証を行い、新商品内容と仮説とを分析すると、その仮説が成立しているのかが分かります。成立するならばマーケティング戦略へつなげていくことができ、仮説とは違う分析がなされれば、その見直しを行い改良に生かすことが可能です。顧客からの意見やフィードバックを反映した新商品の開発は、よりお客様が求めている商品やサービスの提供にもつながります。既存サービスに対するVOCはその商品への意見だけでなく、会社全体にとっての気持ちとして受け止めることで、あらゆるサービスの改善策や新しい案につながっていくとも言えるでしょう。

VOC活用の方法は?

VOCの分析と活用には様々な方法があります。より効率的な活用を推進していくために、必要となる機能は何かを見極めたうえで、CRMをはじめとするシステムの導入も検討していくと良いでしょう。

CRMシステム

CRM(顧客関係管理)は、顧客との関係性を構築して一元的に管理をするために活用するものです。顧客からの電話やメールなどの複数のチャネルからの問合せを管理することにより、手に入れたVOCをCRM内で一元管理できます。

さらに顧客属性なども管理することにより、顧客属性+問合せ内容からVOCを掘り下げることが可能になるでしょう。

CRMシステムはAIをはじめとする他のシステムとの連携が出来るため、目的に合わせ必要な機能を搭載させることもポイントと言えます。

AI

音声解析精度が良いAIを活用すると、VOC活用がより効率的になります。例えば、コールセンターでの会話のやりとりをテキスト化する機能によって、VOC収集のために人が入力していた作業を軽減することができます。また、音声の抑揚を分析し話し手の感情を類推する技術や、テキストマイニングといわれる機能によって、会話内で出てくる単語や会話の傾向を自動分析するAIもあります。

他にも、AIカメラを活用したリモートでの接客により、実際にその場にいなくてもVOCを活用した販促活動を行なうことも可能です。

ギグワークスクロスアイティが提案する「デコールCC.CRM3」

デコールCC.CRM3は、ギグワークスクロスアイティが提供しているコールセンター向けのCRMシステムです。利便性を徹底的に追求しており、20年以上にわたる豊富な導入実績から培った経験やノウハウから生まれた機能装備とサービスが大きな特徴といえます。

マルチチャネル対応

コールセンターにおけるマルチチャネルとは、電話だけでなく複数のコミュニケーション手段をもつことです。各チャネルでの問い合わせ履歴の一元管理が不可欠な中、デコールCC.CRM3では、各チャネルからセンターに集まってくる顧客情報や問い合わせ等の情報を一元管理し、コールセンターでの蓄積された問合せ内容をVOCとして分析し、サービス改善・新商品開発などにつなげていくことができます。分析としてのアウトプットとしてダッシュボード機能や汎用検索機能のご提供も可能です。

様々なソリューション連携が可能

音声認識やbot、感情解析、テキストマイニング、通話録音、クラウドFAXなど、VOC活用に必要なソリューションと連携できます。VOCの活用目的に応じて、様々なソリューションと連携した構築ができるのは、企業にとって大きな利点と言えるでしょう。

コスト削減

導入モデルは、クラウドサービスとオンプレミスから選択ができます。AWSを使ったクラウドサービスでは繁忙期と閑散期でのライセンス変更ができるだけでなく、ライセンス形態も利用する席数による課金のため月額コストを抑えられます。さらに、データベースの暗号化、システム冗長化、スケールアップも実現可能です。

VOCは中身が重要!ツールを活かして全社的な取り組みを

VOCを積極的に活用できないケースも数多く見られますが、ほとんどの場合「お客様の声が何人から集まったか」という量に注目してしまうケースです。この考え方を前提とすると多くの顧客から同じような声が集まらないと、活用に至ることはできません。VOCを本当に活用したいのであれば、ひとつひとつの内容が価値あるものなのか、質を注視することが必要です。お客様が声を上げた背景や状況を読み解くことで、ニーズにあったサービスを提供できたのか振り返り、改善や新商品開発への道筋に繋げられます。

VOCには企業の成長を促すためのたくさんの情報が隠されています。会社全体でVOC活用の目的を共有し、効果的なツールを利用しながら施策を実行していくことが大切です。

この記事を書いた人

XIT編集部 アドバイザー 佐藤光章