AI搭載のSFAで営業活動をサポート!
AIによる顧客分析と商談時の音声認識AI活用法

営業活動は、個々の営業担当者の裁量に大きく依存する業務であり、属人化しやすい傾向があります。しかしながら、市場の停滞や労働力不足の影響から、営業活動の標準化と効率化が必要不可欠です。そのため、営業支援システム(SFA)と呼ばれるソリューションが注目を集めています。特にAIを搭載したSFAを導入し、効率的に活用することで、営業担当者が負担と感じている事務作業の一部を自動化することが可能です。さらに、音声認識AIを併用することで、手入力の手間を大幅に軽減することができます。本記事では、営業担当者の業務効率化につながるためのSFAの基本的な知識から、AIを搭載したSFAによって実現できる機能までを紹介します。 

SFAとは

コスト削減や業務効率化の一環として、営業活動を根本的に見直すためにSFAの導入を検討する企業が増えてきました。SFAとはどのようなシステムなのか、SFAの基本からCRMとの違いについて見ていきましょう。 

SFAとは

SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムの略称であり、営業担当者を支援するためのシステムを指します。営業担当者の活動は個人に密接に関連しており、情報の共有が課題となることが多いです。SFAを利用することで、営業担当者は自身が持つ情報を入力し、情報の蓄積と分析を進めることができます。これにより、営業活動を見える化し標準化することが可能です。営業活動の見える化によって、情報は個々の営業担当者に依存せず、情報が途切れるリスクが減少します。また、SFAに蓄積された情報を分析することで、より効率的な営業活動につなげることも可能です。

SFAでできること

SFAは顧客情報や案件の進捗、詳細、営業担当者の行動、予実、商談などの管理が可能です。顧客管理や案件進捗管理では、過去の商談内容から確度を把握し、似ている顧客を抽出して効果的なアプローチができます。営業担当者の行動管理は、本人がスケジュールを立てやすくなるだけでなく、評価基準としても活用できます。また、地図との連携による最短ルートでの営業活動や経費精算システムとの連携によるワンストップ申請が可能であり、営業業務の効率化につながります。さらに、営業活動の見える化により現場の状況を把握しやすくなり、営業戦略の立案が容易になるでしょう。

SFAとCRMの違い

SFAと混同されやすい別のシステムとしてCRM(Customer Relationship Management)があります。CRMは顧客管理や顧客関係管理と呼ばれるシステムで、顧客の氏名や住所などの基本情報や購買履歴、志向などを管理し、それらを活用してマーケティングや顧客サポートを行い、顧客に適した商品やサービスを提供することを目的としています。CRMはマーケティングから顧客サポートまで幅広い機能を備えていますが、その中で特に営業活動に焦点を当てたのがSFAです。SFAは営業担当者を中心にしたシステムであり、営業活動の効率化や情報共有をサポートします。CRMは顧客を軸にして情報を管理するのに対し、SFAは営業担当者を軸にして情報を管理するシステムと言えます。

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SFA x AI

営業活動は顧客とのやり取りを中心に臨機応変さを求められることが多い業務です。しかし、中にはルーティン化されている事務作業もあるため、その部分をAIによる自動化に頼ることで顧客対応に注力することができます。SFAとAIを掛け合わせてできることを見ていきましょう。 

AIによる顧客情報の抽出・分析で見込み顧客の増加へ

既存顧客の受注データや顧客リストの情報をもとに、インターネット上にある莫大な量のデータから似ている顧客を探し出し、見込み顧客としてリストアップできます。また、受注データから成約につながりやすい顧客の属性を分析し、優先的にアプローチするべき見込み顧客を明確にすることも可能です。 

AIが行動を提案

営業活動や予定を入力することで、AIは蓄積されたデータの中から進行中の案件情報や関連顧客データを抽出し、次に取るべき行動を提案してくれます。顧客とのコンタクトタイミングは営業担当者の経験と勘に大きく依存しており、新人営業担当にとっては難しい課題です。しかし、AIのサポートを受けることで、技術不足による機会ロスを減らし、さらに営業担当者のタスク管理の負担を軽減することができるでしょう。

AIでレポートの自動作成

案件の進捗具合や予実などをSFAに都度入力していくことで、それらのデータを蓄積していきます。蓄積されたデータを活用するためには定期的な分析が必要ですが、AI搭載のSFAでは溜まったデータから必要事項をピックアップし自動抽出することが可能です。抽出方法を選べるため資料として使いやすいようにアレンジすることもでき、資料作成の時間短縮につながります。 

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SFA x 音声認識AI

AI搭載型のSFAを活用すると簡単に情報を蓄積・分析でき業務の効率化が図れます。音声認識AIを活用すれば、営業担当の事務作業に対する負担はさらに減るでしょう。ここでは音声認識AIとSFAを組み合わせてできることを紹介します。 

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音声認識で議事録作成

音声認識AIとSFAを連携させることで、顧客との会話を自動的に録音・テキスト化し議事録を作成することができます。営業トークが可視化されるためフィードバックを的確に出しやすいだけでなく、新人営業担当への教育にも利用でき、各営業担当のスキルアップにつながるでしょう。 

商談中に営業担当者をリアルタイムで支援

顧客との対話中に音声認識AIを利用することで、営業担当者をリアルタイムに支援することが可能です。顧客から聞き取った要望や疑問から、関連する情報を素早く検索し表示することで、より効果的なコミュニケーションの実現が期待できます。 

業務日報の作成

企業によっては日報作成をするところもあり、パソコンでの作成業務を負担に感じる営業担当も少なくないでしょう。しかし、音声認識AIを活用することで、パソコンを開くことなく簡単に日報を作成できます。出先での隙間時間や気づきを得たタイミングで手軽に入力することもできるため、時間の有効活用だけでなく、日報の質向上にも役立てることが可能です。 

音声認識AI搭載のSFAで営業活動を効率化!

人口減少による労働力不足が予想される中、営業活動の標準化・効率化は急務となっています。この課題に対し、営業支援システム(SFA)が一役買っています。SFAに必要な情報を入力することで、営業活動の現状を明確に把握できます。それにより、各営業担当者のスキルアップが図られるだけでなく、上層部も正当な評価を行うことができます。

さらに、音声認識AIを搭載したSFAでは、従来の手作業で行われていた日報作成や顧客との会話内容の記録などを自動化することができます。これにより、事務負担を軽減しながら営業活動に集中できるようになります。また、データとして蓄積された会話内容は貴重な情報源となり、顧客との関係構築やマーケティングに活用できます。

限られたリソースを効果的に活用するためには、AI搭載のSFAの導入を検討することも有益です。自動化とデータ活用により、労働力不足を補いながら効率的な営業活動を実現しましょう。 

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太