インテントデータを提供するサードパーティー4選!活用方法と活用事例

インテントデータは、顧客の興味やニーズを明確に把握するための強力なツールとして注目されています。オンラインでの行動データや検索履歴を分析することで、企業は見込み客を特定し、パーソナライズされたアプローチを実現することができます。本記事では、インテントデータを提供するサードパーティーを4つ紹介し、それぞれの特長を詳しく解説します。
【関連記事】顧客のニーズを明確化!インテントデータ収集のためのサービス4選

インテントデータとは何か

インテントデータは、ユーザーの購買意欲や興味を示す行動データの一種です。

行動データとは?

行動データとは、ユーザーがオンラインで行う具体的なアクションを指し、インテントデータの一部として活用されます。主な例として、ウェブサイトへの訪問、検索キーワードの入力、ソーシャルメディア上での「いいね」やシェアなどの活動が挙げられます。これらの行動データを分析することで、企業はユーザーの購買意欲や関心を把握し、効果的なマーケティング施策を展開できます。

インテントデータは2種類に大別される

インテントデータは、ファーストパーティデータとサードパーティデータに大別されます。

ファーストパーティデータは、自社が直接収集したデータで、たとえば自社ウェブサイトの訪問者データやメールキャンペーンの開封率などが含まれます。このデータは、顧客との直接の接触から得られるため、信頼性が高いのが特徴です。

一方、サードパーティデータは、外部のベンダーやデータプロバイダーから提供されるデータで、広範なユーザーのオンライン行動を把握することが可能です。これにより、自社の顧客層以外にもリーチでき、マーケティングや広告のターゲティング精度が向上します。

サードパーティーが提供するインテントデータの特徴

サードパーティデータは、外部のベンダーやデータプロバイダーから提供されるデータです。その特徴を見ていきましょう。

データ収集が広範囲

自社のファーストパーティデータとは異なり、サードパーティデータは複数のウェブサイトやプラットフォームから得られ、さまざまな業界や地域にまたがるユーザーの行動を網羅します。

プライバシーへの配慮

データが第三者から提供されるため、データの収集や使用が適切な規制やガイドラインに従って行われているか確認する必要があります。これには、GDPRやCCPAなどのデータ保護法に従い、ユーザーの同意を得た上で情報を収集・活用することが求められます。

最新の顧客行動を反映

多くのデータプロバイダーは、定期的に更新されたインタラクションデータを提供しており、ユーザーが現在何に興味を持っているか、どのような購買プロセスにあるかを即座に把握できます。このタイムリーなデータ活用により、企業は迅速に変化する市場ニーズに対応し、最適なタイミングで広告やプロモーションを展開することが可能です。

様々な業界のトレンドを比較できる

企業は自社の属する業界だけでなく、他の業界での消費者行動やトレンドも把握でき、新たなビジネスチャンスを見つけ出す手助けとなります。また、異なる業界の成功事例や新しいマーケティング手法を比較することで、自社戦略の見直しや改善につなげることができます。

サードパーティーが提供するインテントデータの活用方法

外部のベンダーやデータプロバイダーから提供されるサードパーティデータは、広範なユーザーのオンライン行動を把握することが可能です。どのように活用すると良いのでしょうか?
【参考】サードパーティインテントデータ活用術

顧客ターゲティング精度の向上

自社のファーストパーティデータに加えて、外部のデータを組み合わせることで、より詳細な顧客の興味や行動パターンを把握できます。これにより、適切なタイミングで適切なメッセージを届けることが可能となり、マーケティングキャンペーンの効果が向上します。

競合他社への顧客の反応を把握

顧客が他社の製品ページを訪問したり、レビューをチェックしたりする行動を追跡することで、自社製品に対する競合の優位性や弱点を理解できます。この情報を基に、自社のマーケティング戦略を調整したり、製品改善のヒントを得ることができ、競争力を強化するための貴重なデータとして活用できます。

業界全体のトレンドを予測

様々な業界にわたるデータを収集することで、特定の製品やサービスに対する関心がどのように変化しているか、次にどのような需要が高まるかを予測することが可能です。このような予測に基づいて、企業は先を見据えた戦略を立て、市場の変化に迅速に対応することができ、競争優位を維持しやすくなります。

インテントデータを提供するサードパーティー4選

代表的なインテントデータを提供するサードパーティーを4つ紹介します。
【参考】インテントセールスとは?仕組み・方法・おすすめツール紹介

Sales Marker

「Sales Marker」は、検索キーワードを活用してマーケティングや営業活動を強化するツールです。設定されたキーワードが検索された際に企業に通知が届くため、潜在的な顧客を即座に把握することが可能です。また、検索キーワードに基づいて、その企業がどのようなニーズや検討段階にあるかを詳細に分析できます。さらに、AIを活用した自動営業機能や、受注率の高い企業の特徴を分析する機能も備えており、営業活動の効率化をサポートします。

ZoomInfo

「ZoomInfo」は、企業情報とインテントデータを融合したサービスを提供しています。豊富なビジネスプロファイルデータベースとインテントデータを組み合わせることで、企業は見込み顧客の購買意欲をより深く理解でき、効率的なターゲティングを実現します。最大の特徴は、顧客情報の自動更新ですが、他にも営業提案のタイミングのアラート、顧客情報の一元管理などの機能が備わっています。

Bombora

「Bombora」は、BtoB向けに特化したインテントデータを提供する企業で、特に業界のベンチマークデータに強みを持っています。多くの企業や業界全体から集められた行動データを基に、企業が現在どのような製品やサービスに興味を持っているかを分析します。企業ごとの優先順位もつけてくれるため、効率的にアプローチできるでしょう。

6sense

「6sense」は、AIを活用したインテントデータ分析に強みを持つプラットフォームです。BtoBマーケティングにおいてAIや機械学習を活用し、あらゆるチャネルやデバイス、膨大な数の購買行動を解析して的確で高性能なターゲティングと施策を提案します。

インテントデータの活用事例

インテントデータの活用事例を紹介します。こちらはエン・ジャパン株式会社が、新事業の「エンSXセールス」でインテントデータを活用し、アポイント率や成約率を向上させた事例です。

エン・ジャパン「エンSXセールス」

「エンSXセールス」は、インサイドセールス代行事業においてサードパーティのインテントデータを積極活用し、クライアント企業のニーズに合致する企業を絞り込んでアプローチしました。その結果、商談アポイント獲得率が2.5倍、成約率が2倍に向上し、架電数も60%削減されました。これにより、インテントデータの活用が営業活動の生産性向上に寄与することが明確になりました。
【参考】インテントデータとは? 顧客の行動データをマーケティングに活かす方法

マーケティング戦略を最適化するために

インテントデータを活用することで、営業活動の効率化と成果向上が実現できます。インテントデータは、潜在顧客の興味やニーズを的確に捉え、ターゲティング精度を高めることで、営業活動の生産性を高めることができます。

これらのサービスを効果的に活用し、データに基づく意思決定を行うことで、企業は競争力を高め、顧客との関係を深めることができます。今後のビジネスにおいて、インテントデータの活用はますます重要な役割を果たすでしょう。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太