生成AIでコールセンターが進化する!
コールセンターログの活用方法を紹介

AIとは、Artificial Intelligenceの略語であり、コンピューターや機械が人間のように考えたり学び、人が行うような知的な活動をプログラムにより再現したシステムのことを言います。近年、スマートスピーカーをはじめとする音声認識、自動運転や機器の制御、ユーザーの行動や嗜好を分析しパーソナライズされた広告を配信するなど、各業界でAIが活用され始めました。コールセンター業務においても、AIは、応対品質のばらつきや人手不足といった課題を解決する手段となりえます。
本記事では、AIが実際にどのようにコールセンターで活用され、どのような効果を発揮しているのかを、ご説明します。この記事を通じて、AIの可能性、そして限界が明確になり、業務でのAI導入の参考になれば幸いです。
【関連記事】AIの活用でコールセンターはどう変わる?AI技術の躍進

コールセンターログは、価値の高いデータ

コールセンターログ、すなわちお客さまとの電話のやりとりの「記録」には、通話の日時や顧客の個人情報、通話内容、結果、評価といった、たくさんの情報が詰まっています。これらは顧客サポートの改善やビジネス戦略の策定に役立ちます。

顧客のニーズ

顧客が直接提供したフィードバックや質問から、顧客のニーズや要望を理解し、顧客の疑問や関心を把握することができます。そこから、製品やサービスを改善するための洞察を得ることができます。

顧客への効果的なアプローチ方法

発信回数や着信の待ち時間、通話時間、商品購入数などのデータを分析することで、顧客の満足度や不満の要因を把握できます。オペレーターのどの対応に顧客が満足したか、顧客が不満を感じた場合にどのような要因が関与しているかを知ることができます。

コールセンターログをどのように活用する?

コールセンターログから顧客のよくある質問を抽出し、FAQを作成することで、顧客は24時間対応で自分の問題を解決でき、オペレーターの負担も軽減されます。これにより、効率的な顧客サポートが実現し、顧客満足度の向上やオペレーターの業務効率化が可能となります。

生成AIとは?

今回は、”AI”ではなく、”生成AI”がどのようにコールセンターで活用され、どのような効果を発揮しているのかをご紹介したいのですが、AIと生成AIとは何が違うのでしょうか。AIはあらゆる種類の知的なタスクを処理する能力を指し、生成AIはAIの一種であり、新しいデータやコンテンツを生成する能力を特に強調しています。

この生成する能力をコールセンターに、どのように活用するのでしょうか。
【参考】ジェネレーティブAI(生成AI)とは?

要約・個人情報の抽出

顧客との通話内容を音声認識技術を使ってテキストに変換し、そのデータを要約します。これにより、オペレーターは通話の主要なポイントを素早く把握し、効果的な対応が可能となります。さらに、生成AIはテキストデータから個人情報を抽出することができ、これによりオペレーターは顧客情報を迅速に取得し、正確なサポートを提供できます。

個人情報の保護・プライバシーへの配慮

コールセンター業務で生成AIを利用する際には、個人情報の保護とプライバシーへの配慮が重要です。法的要件や情報漏洩のリスクを考慮し、個人情報を匿名化や擬似化する必要があります。アクセス制御や監視、トレーニングデータ(機械学習モデルを訓練するためのデータセット)の選定などの対策を実施し、データセキュリティを確保しましょう。

コールリーズン分類の自動化

コールリーズンとは、コンタクトリーズンとも呼ばれ、コールセンターでの通話内容を自動的に分類するプロセスです。通常、コールセンターではさまざまな種類の問い合わせや要求がありますが、これらを適切に分類することは重要です。

以前の分類方法

主に人手によって行われていました。
具体的には、コールセンターのオペレーターや顧客サポート担当者が通話を受けて、話し手の要求や問題の内容を聞き取り、その内容に基づいて適切なカテゴリに分類していました。
しかし、この方法では、人の判断力と経験に依存しており、効率性や一貫性に欠けることがありました。また、テキストマイニングが流行り出してからは、入力の手間は減りましたが、分類間違いが多いという課題がありました。

AIによる分類方法

過去の通話ログやテキストデータを収集し、前処理を行い、テキストデータを解析することで適切なカテゴリに分類します。新しい通話が入ってきた際には、AIが自動的に分類を実行します。定期的な評価と改善を行うことで生成AIの性能を向上させることができます。
これにより、ヒトではわからなかった、お客様の本当のお問い合わせきっかけを分類できるようになりました。通話内容の分類を、顧客の関心に合ったものへ見直し、顧客分析精度を高め、顧客理解を深めることができます。

生成AIを活用したFAQの自動生成

コールセンター白書2023の調査によると、コールセンターのIT機能のなかで強化の優先度の高いソリューションの上位にFAQの自動生成があげられています。生成AIはFAQの自動生成にどのように活用できるのでしょうか。
【参考】コンタクトセンターでの生成AI活用の展望2024

生成AIを使ったFAQの自動作成方法について

顧客の問い合わせデータや製品マニュアル、社内フィードバックからFAQを自動生成することで、従来の手法に比べて時間と労力を大幅に節約できます。さまざまな情報源からデータを集め、統合し、カテゴリごとに整理する作業を効率化し、複雑さを軽減します。
また、市場の変化や製品の更新に応じて、新しい質問と回答を生成することで、FAQを常に最新の状態に保ち、効率的に更新を続けることができます。

FAQと音声認識の連携

コンタクトセンターの音声録音システムおよび音声認識基盤と接続し、収集した通話内容をリアルタイムに音声認識して、テキスト化します。
また、FAQシステムと連携すると、通話内容のテキストデータに含まれるキーワードを使ってFAQを検索できるため、オペレーターの業務負荷を軽減できます。FAQの質問文と回答文の生成は生成AIに任せることができますが、生成された内容に不適切な表現や誤った情報が含まれていないかを必ず確認しましょう。
【参考】生成AIを使ったFAQ作成方法を解説!

デコールCC.CRMの紹介

「デコールCC.CRM」では、着信と同時に音声認識とFAQのウィンドウが立ち上がり、お客様との会話がリアルタイムでテキスト化され、AIが会話の中からキーワードを摘出しFAQのキーワード検索やお客様との応対内容の要約ができます。

デコールCC.CRMを使って、コールセンター業務の改善と応対品質向上を目指しましょう。

【参考】デコールCC.CRM AI音声認識・AI自動要約

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太