生成AIをアプリ開発へ応用するには?ツールやメリットを解説!

AI(人工知能)の進歩は、世界を革命的に変えつつあります。近年はAIの発達により、アプリ開発に生成AIが活用されるようになりました。生成AIを利用することで、アプリ開発、プログラミングの効率化が可能になります。
本記事では、生成AIをアプリ開発に活用するメリットや方法について詳しく解説します。

アプリ開発の概要と現状の課題

アプリ開発は、ユーザーのニーズを分析し、設計・開発・テスト・保守・更新のフェーズを通じてアプリを作成します。このフローは、技術の進化や市場の変化に応じて柔軟に変化します。

しかし、現在のアプリ開発にはいくつかの課題があります。
まず、複雑化と競争激化が挙げられます。新しい技術や機能の登場により、アプリの開発が複雑化し、市場競争も激化しています。
さらに、デバイスの多様化も課題です。様々なデバイスやプラットフォームに対応する必要があり、これに伴うテストやデバッグの負担が増加しています。

自動コード生成のメリットと可能性

自動コード生成は、ソフトウェア開発の効率性と品質向上に大きなメリットをもたらします。手動でコードを書く時間と労力を節約でき、開発者は、煩雑なコーディング作業から解放され、より多くの時間を設計やテストに集中することができます。

また、自動生成されたコードは、一貫性があり、品質が向上し、バグやエラーの発生が減少します。大規模なシステムの開発において、アイデアを素早く作成し、フィードバックを得ることで、開発者はより効果的に要件を理解し、製品の開発を加速させることが可能です。これらのメリットと可能性を活用することで、開発プロセスの効率性が向上し、革新的なソフトウェア製品の開発が促進されます。

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代表的なコード生成ツール

代表的なコード生成ツールをご紹介し、それぞれの特徴や機能を解説していきます。

【参考】コード生成AIとは?Code Llamaなどおすすめサービス・メリット・デメリットをご紹介
【参考】コード生成AIとは?おすすめ5選を比較!メリット・デメリット、使い方や種類を解説

Code Llama

Code Llamaは、アメリカのIT業界大手Meta社が開発したコード生成AIです。自然言語とコードの両方のプロンプトに対して、コードを生成できます。
それ以外の機能は、プログラムの補完・プログラム関連の質問への応答です。
プログラムの補完とは、プログラムの穴埋めのようなもので中途半端になっているソースコードを完成してくれるでしょう。
一方で、プログラム関連の質問への応答とは、プログラム内で「どのコードを使うべきか」「どのようにデザインすべきか」などを提案してくれる機能です。
また、Code Llamaは学習時に約16,000単語の長いデータを利用しており、約100,000単語の入力に対しても高い精度で回答を出せます。

GitHub Copilot

GitHub Copilotは、プログラミング開発者が書き始めたコードをもとに、その続きを予測して提案してくれるコード生成AIです。GitHubとOpenAIの共同開発により生まれました。
GitHub Copilotは、GitHubの膨大なソースコードデータを学習していることが特徴です。
そのため、多様なコーディングスタイルやプログラミングパラダイムを理解して、多くのプログラミング言語に対応しています。

CodeWhisperer

CodeWhispererは、AWSのサービスで使用するために最適化されたコード生成AIです。
Amazonのコードや公開されているコードで学習し、自然言語のプロンプトを理解して複数のコードをリアルタイムで提案できます。
また、見つけにくい脆弱性を検知し、問題のあるコードを高精度で特定して修正案を提示してくれるためセキュリティ面も安心です。

生成AIのアプリ開発への応用

生成AIで実際にアプリ開発をする際、どのような場面で使用すればいいのでしょうか?
詳しく解説していきますね!
【参考】生成AI(ジェネレーティブAI)とは?ビジネスを革新する新たな可能性

プロトタイプの高速作成

新しい製品やデザインのアイデアを素早く試すことができます。例えば、異なるデザインのバリエーションを自動的に生成し、最適なものを選ぶことができます。これにより、開発プロセスを迅速化し、コストを削減できます。

バグの自動検出と自動修正

バグの自動検出と自動修正には多くのメリットがあります。時間と労力を節約でき、さらに、バグが早期に発見されるため、開発サイクル全体が短縮され、迅速なデプロイメントが可能となります。品質の向上も重要なメリットです。
自動化されたテストや静的解析により、バグの発生率が低下し、ソフトウェアの信頼性と安定性が向上します。また、バグの自動修正は、開発者が手動で修正する手間を省きます。これらのメリットにより、バグの自動検出と自動修正は、ソフトウェア開発プロセス全体の効率性と品質を向上させることが期待されます。

コード生成の課題

AIでのアプリ開発もまだまだ発展途上です。AIを活用してコードを生成する場合の課題を理解して対策を行いましょう。

常に正確とは限らない

コード生成AIはセキュリティとプライバシーの懸念、品質の不一致、コンテキストの理解には限界があります。
また、セキュリティ上の脆弱性が含まれている可能性があるため、生成されたコードには慎重な検証と修正が必要です。
AIが生成するコードは常に最適または正確とは限らず、プロジェクトの全体的なコンテキストやビジネスロジックを完全には理解できない場合があるため、コード生成AIだけで作業が完結することがない点は留意しておきましょう。

最終的には人の手による修正と確認が必要なため、完全な自動化が難しい点は今後のコード生成AIの課題です。

ギグワークスクロスアイティの取り組み

XIT(ギグワークスクロスアイティ)は、AIを利用したコード生成とアプリ開発に向けた実験を積極的に進めています。

私たちは、開発プロセスの中核となる作業の自動化を目指し、生成AIの力を活用しています。
具体的には、単なるコードの生成を超え、開発者の入力テキストに基づくワークフローの定義や、システムの設計書の作成を行う試みに取り組んでいます。

これにより、開発の初期段階での時間とコストを削減するとともに、品質の高いアプリケーションの早期開発の実現を目指しています。

現在、XITはAIによるコードとアプリの生成ツールの試作にも力を注いでいます。これにより、開発業務に携わるエンジニアたちが、より効率良く、かつ創造的に作業を進められることを目指しています。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太