生成AIを活用して営業力を強化!議事録からタスクを抽出する方法とは

生成AIとは、「Generative AI(ジェネレーティブAI)」とも呼ばれ、文章・画像・音声など新しいコンテンツを生成するAIのことを指します。営業は、生成AIの能力を活かすのに適した職能です。なぜなら、多くのコミュニケーションと取引処理を伴い、メールスレッドに含まれるテキスト、電話での会話の音声、個人とのやり取りなど大量のデータを管理しなければならないからです。本記事では、生成AIでできることや、営業に活用する方法を紹介します。

生成AIについては、こちらの記事でも紹介しています!

詳しく知りたい方は是非チェックしてください!
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生成AIを、営業にどう活かす?

AIを活用することで、他社製品と自社製品の特徴をまとめ・比較し、商品を提案する際のキャッチコピーを作成したり、他の製品にはない特徴を言語化することが可能です。さらに、お客様やクライアントに送るメール作成や、営業トークが苦手な方の商談シミュレーションや改善点の依頼も行えます。営業の方は言語化された情報を元に、AIによって洗い出された改善点を意識しながら商談を進められます。また、会議資料・議事録・報告書の作成もAIによって可能です。議事録作成は一見単純な作業ですが、個人のスキルや実力が如実に表れる業務であり、内容の確認には神経と時間がかかります。 AIを利用することで、議事録作成などの作業を効率化し、時間と労力を節約できます。このようにAIでは、様々な事ができますが、今回は議事録作成に焦点を当ててご紹介します。
【参考】生成AIは営業をどう変えるのか

音声・ビデオ通話ログからの議事録生成

これまで議事録作成は、録音した音源から担当社員が書き起こしたり、専門事業者に委託したりして作成するのが一般的でした。しかし、そこには多くの労力や時間が必要となるため、近年はAI文字起こしの導入を検討する企業が徐々に増加しています。AIが搭載された議事録自動作成ツールと聞くと、会議音声の文字起こしをイメージされる方も多いかもしれません。議事録自動作成ツールには、文字起こしはもちろん、会議にまつわる負担を軽減するさまざまな機能があります。
【参考】議事録はAIで自動作成しよう!AIによる音声認識や文書作成のポイント

音声の文字起こし

自動文字起こしは、ほぼすべてのAI議事録自動作成ツールの標準機能です。会議中の発言をリアルタイムでテキスト化してくれるため、手書きよりも早く充実した内容の議事録を作成できます。また、話者ごとに発言を区別する機能があるツールもあるため、多人数が発言する会議においても、後から話者を確認する手間が軽減されます。「えー」などの不要な発言を除去する「ケバ取り」の機能を備えているツールも存在します。

多言語のリアルタイム翻訳

一部の議事録自動作成ツールには、AIによる自動翻訳機能が付属しています。これにより、海外の顧客や支社との会議など、複数の言語が使用される場合でも、発言を翻訳して議事録にまとめることができます。

自動要約

複雑な話題や長文でも要点を抽出し、重要な箇所を短くまとめることができるため、内容理解とともに迅速な意思決定が可能となります。

議事録からのタスクの洗い出し

AIを活用する事で、議事録からタスクリストを作成し、フォローアップのステップを明確化することができます。

会議音声からタスク作成

会議中の発言から、タスクを自動的に作成してくれるツールもあります。

「○月○日の○時にX社へ訪問」「次回会議は○月○日○時から」など、会議中の発言から自動的にタスクをピックアップしてくれるというものです。さらに、タスクを整理し、必要に応じて優先順位を付けることにより、業務効率の向上につながります。

議事録の共有

議事録自動作成ツールに備わっている議事録のテンプレートを利用して、議事録を作成できます。ツールによっては、自社独自のフォーマットを作成・保存することも可能です。複数人で共有できるクラウド型のシステムなら、議事録をツールへアップロードする形で共有できます。

AIを活用した議事録作成のポイント

議事録を作成するにあたっては、入念な事前準備が欠かせません。ここでは、AIを活用した議事録作成のポイントについて解説します。

マイクの音質に注意する

AIの性能が高くても、マイクや室内音響の問題があると、声をきれいに拾うことが難しくなります。マイクの品質や取り扱いには細心の注意が必要です。

完璧な精度を目指さない

AI技術は年々精度が向上していますが、一定の認識ミスや変換エラーは予想されます。人の介入なしで完璧な結果を期待することは不可能であり、許容範囲を決め、不足部分を人手で補うことがAI議事録作成の成功に欠かせません。

バックアップを忘れない

AIが書き起こしを行う一方で、その前提となる準備作業は人間が行います。そのため、録音ボタンの押し忘れやデバイスの充電を失念しており、途中で音声が終了したといった人為的ミスが発生する可能性は完全にゼロではありません。また、何らかのエラーによりデータが消失することもあり得ます。

取引リスクの評価

AIを活用することで、従来よりも効率的に潜在的なビジネスリスクを予測し、早期に対応することが可能になります。しかし、注意点として、モデルの適切な訓練と運用、倫理的な考慮、データのプライバシー保護などを考慮する必要があります。

データの収集と前処理

取引履歴や通話ログ、市場のデータなど、様々なソースからデータを収集し、適切に前処理します。前処理では、データのクレンジング、欠損値の処理などを行います。

予測モデルの構築

機械学習や統計モデリングなどの手法を使用して、データから潜在的なリスクを予測するモデルを構築します。例えば、過去の取引パターンや通話内容から不正行為や市場変動に関連するリスクを予測するモデルを構築することができます。

モデルの評価と改善

構築したモデルの性能を評価し、必要に応じて改善を行います。これには、モデルの精度や再現率を評価するためのテストデータセットを使用したり、機械学習の設定を調整したりすることが含まれます。

リスクの監視と対応

構築したモデルを実際のビジネス環境に統合し、リアルタイムでリスクを監視します。モデルが潜在的なリスクを検出した場合、適切な対応策を講じることが重要です。これには、異常検知アラートの発行やリスク管理プロセスの改善などが含まれます。

ギグワークスクロスアイティの取り組み

XIT(ギグワークスクロスアイティ)は、AIによる営業支援に取り組んでいます。応対音声の自動議事録化、タスクの洗い出し、そしてSFAへのデータ登録を自動で実行できるようAIを活用しています。これにより、営業スタッフはルーティンワークから解放され、より創造的で戦略的な活動に集中することがでいます。さらに、AIによる客観的評価を利用した新人教育によって、スキル向上を促進し、営業チームの成長をサポートしています。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太