【脱Excel、本当に必要?】Excelとそれ以外のツールを使い分ける方法

業界・職種を問わず広く使われている表計算ソフト「Microsoft Excel」(以下、Excel)。Excelは、業務を進める上で非常に便利なツールです。しかし、活用分野によっては逆に業務の効率を落とす原因になることがあるため、「脱Excel」を目指す企業も少なくありません。この記事では、Excelの主な弱点や強み、他のツールと組み合わせてもっと業務を効率化する方法について詳しく説明します。
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Excelの強みと限界

Excelは、広範な業務で活用されるソフトウェアです。データの集計やグラフの作成が簡単に行えるほか、高度な関数や図の描画も可能で、非常に便利です。あらゆる企業で利用されているため、ファイルの形式に関係なくデータをやり取りすることができます。しかし、その多機能さゆえに、全ての業務に最適というわけではなく、使い方次第では業務効率が低下する恐れもあります。

業務内容に合った処理や分析が得意

Excelでは、マクロや関数、数式を活用することで、複雑な処理を組み込むことが可能です。専門知識を持つ社員は、これらを駆使して分析やレポート、グラフの作成を容易に行い、業務に適した資料を迅速に作成できます。

大規模データ、複数ユーザーの共同作業には向かない

Excelは、データ量が多いと保存容量が不足する可能性があります。データ量や複雑な関数が増えると処理速度が低下し、作業効率が悪化することで、作業者の工数が増加します。また、ファイルサイズが大きくなるとファイルが壊れるリスクも高まります。複数人での更新では、編集履歴を追えないため、誤った修正や削除の原因特定が難しくなります。さらに、最新データが反映されない古いバージョンを使用することでデータの整合性が損なわれることがあります。Excelファイルの暗号化は特に古いバージョンでは弱く、解読されやすいです。また、複数場所に保存されることで最新情報の特定が難しく、セキュリティ対策が一貫せず、情報漏洩や不正アクセスのリスクが増大します。

Excelの代替ツールとその特徴

Excelには意外とたくさんのデメリットがあるということが分かりました。ではExcelのデメリットを補える、代替ツールとはどのようなものがあるのでしょうか。

Google Sheets

Google Sheetsは、Googleが提供する無料のオンライン表計算ソフトウェアで、表や計算の作成、データの保存、共有が可能です。Excelがローカルインストール型であるのに対し、Google Sheetsはクラウドベースであり、インターネット経由でデータ管理を行います。クラウド型の利点として、複数人でのデータ管理が容易であり、データの共有や同時作業、同時編集が可能であり、またリアルタイムでデータを確認できる点が挙げられます。これにより、Google Sheetsは手軽で便利に利用することができます。

Microsoft Access

Accessはデータ管理に特化した「データベースソフトウェア」であり、Excelが「表計算ソフトウェア」であるのに対し、Accessはデータの効率的な管理を目的としています。そのため、Accessは特にデータ管理に優れています。Excelが大量のデータになると処理が重くなるのに対し、Accessは最大で2GBまでのデータを保存でき、作業が比較的スムーズに行えます。
【参考】Microsoft Projectとは?

Power BI

Power BIは大容量のデータを扱うことができ、社内外の様々なデータソースに対応しています。グラフ上の数値データにマウスポインタを当てると詳細が表示され、クリックするとデータが絞り込まれ、さらに詳細な数値を確認できるなど、双方向のインタラクティブ性があり、データ分析をサポートします。
【参考】BIツールはExcelの代わりになる?

業務シナリオごとの使い分けの例

Excelの代替ツールは様々ありますが、ここでは、業務シナリオごとにツールを使い分ける例をご紹介します。

データ分析と報告(Power BI)

Power BI では大量のデータを分析・可視化できます。データを複数のグラフやチャートにまとめられるため、会議資料や報告書の作成時に便利です。また PDF や CSV、Excel などさまざまなファイル形式での出力もできます。なお、Power BI で作成したレポートやダッシュボードは他のメンバーとも共有できます。レポートやダッシュボードの閲覧・編集などのアクセス権を個別に設定できるため、セキュリティ面でも安心です。

プロジェクト管理(Microsoft Project)

Microsoft Projectとは、プロジェクト管理に必要な機能が搭載されているツールです。プロジェクト管理ツールとしては、プロジェクトチームのスケジュール作成やタスク管理機能を備えています。また、ガントチャートやロードマップなどを使った戦略的なスケジュール管理も可能です。

マーケティング分析(Google Analytics)

Google Analyticsとは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。自社のWebサイトを登録すると、サイトを訪れたユーザーに関する各種データを把握・分析することができます。このデータは、企業のデジタルマーケティング推進に活用できます。例えば、Webサイト内でのユーザー行動を把握し、動線を意識したWebサイト設計や、Webサイトを訪問したユーザー属性からターゲット設計を行うことも可能です。

最適なツールを選ぶために

数多くの選択肢からより効果の上がるツールを選ぶには、どのような基準で選んでいけば良いのでしょうか。以下の項目を念頭に置き、選ぶことをおすすめします。

データの規模、共同作業の必要性、拡張性を考慮

最適なツールを選ぶ際には、データの規模、共同作業の必要性、拡張性を考慮することが重要です。少量のデータならExcelやGoogleスプレッドシートが適しており、データ量が増えるとAccessが有効です。大量データにはPower BIのシステムが適しています。共同作業にはGoogleスプレッドシートが便利で、多人数の作業にはPower BIが適しています。シンプルな分析には基本的なツールで十分ですが、複雑なニーズには高度なデータベースシステムが必要です。

ニーズの分析、試用期間の設定、フィードバックの収集

最適なツールを選ぶためには、ニーズの分析、試用期間の設定、フィードバックの収集が重要です。まず、ツールの使用目的や必要な機能を詳細に分析し、現行ツールの改善点を明確にします。次に、無料トライアル期間を活用して操作性や機能を実際に試し、業務環境での実践テストを行います。最後に、ユーザーからのフィードバックを収集・分析し、共通する問題点や要望を整理して、最終的な判断を行います。これにより、ニーズに最適なツールを選ぶことができます。

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この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太