Windows11発売が今年6月25日に正式発表され、多くのニュースに取り上げられました。このアップグレードで、デザインの刷新はもちろん、新機能の追加や機能の統廃合、接続環境やディスプレイ環境の改善などさまざまな更新がなされています。
また、ネットワーク環境での使用が増えたことも背景にあり、セキュリティに関するシステム要件が厳しくなっているのも特徴と言えるでしょう。今後の導入スケジュールや必要とされるシステム要件を押さえつつ、アップグレードするWindows11の機能について見ていきましょう。
Windows11が発売に
最後のWindowsと言われたWindows10が発表されてから6年、Microsoft社は今年6月25日に「Windows11」の正式発表を行いました。今回のリリースはハードウェア要件や機能の変更が大きいため、今後の導入スケジュールを押さえておく必要があります。
年内には搭載機器の販売
本格的なリリースは2021年後半と言われ、Windows10からWindows11へのアップグレードが可能となるのも同時期とされています。しかし、システム要件の変更も考えられるため、今使用されている全てのPCがアップグレードできるようになるのは2022年前半です。
今すでに販売されているWindows10版のPCは、能力的にはアップグレードの要件を満たしています。心配な人はWindows11対応となっているPCを選ぶと良いでしょう。
Windows10のサポートは2025年10月14日まで
保有しているPCが要件を満たしていない場合は、引き続きWindows10を使用していくこととなります。また、Windows11の使い勝手が気に入らない場合は、アップグレードしてから10日以内ならWindows10に戻すことが可能です。こちらのサポートは2025年まではありますのでしばらくは現状維持でも大丈夫です。
しかし、新しいPCのほうが記憶容量や処理速度も早いため、これを期に新規購入を検討するのもよいでしょう。
大幅に改善された機能とデザイン
高いシステム要件が必要となりましたが、その分操作性やデザイン、新機能の充実などさまざまな改善がなされています。新しくなったWindows11の特徴について見ていきましょう。
注目すべきWindows11の特徴
新しくリリースされるWindows11には大きく分けて次のような特徴があります。
メニュー画面やアイコンなどの新しいデザイン、マルチタスクを可能ににする高い生産性、各種アプリケーションに対する高い接続性、Xboxの機能を積極的に取り入れた優れたゲーミング性、少ないリソースでも快適なWebアクセスの良さ、ストアの大幅な改善などです。
新しくなったスタートメニュー
新しいユーザーインターフェースは、スタートメニューがセンタリングされたタスクバーに集約されています。付随するアプリアイコンも視認性の高いカラフルなものへと変更され、タスクバーやスタートメニュー上での違いが一目でわかるようになりました。
この他にも、検索ボックスがタスクバーから外されたり、ウィジェットが透過ポップアップで表示されるようになっていたりと、こまごまとした調整がされています。
生産性を高めるスナップ機能
各種アプリのウィンドウ配置を、ウィンドウ右上のボタンから上下左右を指定して自動的にスナップできるようになりました。特にスナップグループを設定することができるようになったため、異なるアプリのウィンドウを一つのグループとして即座に表示できるようになります。
PDFを見ながらExcel入力を行ったり、インターネットから文章を書き出したりする際も、一つのグループとして表示・非表示がしやすいため生産性を高めることが可能です。
マルチディスプレイ環境の改善
2台以上のディスプレイを使用する「マルチディスプレイ」の接続性が格段に良くなり、アプリやウィンドウ配置を記憶させることができるようになりました。
この機能のおかげで、スリープ解除後や外部ディスプレイとの再接続後も、直前のレイアウトが保存されるので、ウィンドウ位置を再調整するストレスがなくなります。
Androidアプリに対応
「Amazon アプリストア」からダウンロードする必要があるものの、AndroidアプリがWindowsで使えるようになります。PC版用のアプリではなく、Androidアプリそのものを起動できるようになるため、使用できるアプリの幅が劇的に広がるでしょう。
また、このリリースを受けたことで、今後Amazon アプリストアと連携するアプリ開発者の増加に期待が持てます。そうなれば、利用できるアプリが次々と追加されていくでしょう。
Windows11に必要な要件は?
Windows11の発売を受けて最も気になることは、今使用しているPCのスペックで対応できるかということです。具体的にどの程度のスペックが必要か確認してみましょう。
ハードウエア要件/仕様の最小要件
最小要件は、まずプロセッサ(CPU)が1ギガヘルツ以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサかまたはSystem on a Chip (SoC)であることです。メモリは4GB RAM以上、ストレージは64GB以上の記憶装置が必要です。
システムファームウェアはUEFIまたはセキュアブート対応しているもの、TPMはトラステッドプラットフォームモジュールバージョン2.0以上であることが求められます。CPUの要件が32ビット版では対応できなくなり、メモリは2GB、ストレージは32GBでは足りなくなりました。
さらに、セキュリティ強化のため、UEFIやTPM2.0の要件が明記され、これに対応できないPCではWindows11は起動できません。まずは自身のPCがこれらの要件を満たしているか確認をしておきましょう。
動作チェックではCPUがポイント
CPUの要件に関しては今後引き下げられる可能性もありますが、対応範囲外のCPUに関してはサポートがなくなります。パフォーマンス、能力、品質、信頼性、セキュリティという視点からも対応外のCPUでは十分にWindouws11の機能を活かせないためでしょう。
しかし、要件を満たしても快適な挙動が期待できるかはまた異なってきます。特に今回のバージョンアップは、マルチタスクの生産性向上やゲーミングPCとしての役割を持たせているため、快適に使うためには性能の高いCPUが必要になるでしょう。
新しい Windows 11 OS へのアップグレード _ Microsoft
可能性が広がるWindows11
新しいWindows11は、デザインも新しくなり、さまざまな機能が追加され、Windows10までの不具合の調整がなされています。また、リモートワークにも適したさまざまな新機能は、業務を効率化し生産性を高めるための大きな力となるでしょう。
しかし、システム要件が高いため現在使用されている多くのPCが対応外になりかねません。2025年までWindows10のサポートはありますが、このアップデートの機会に新しいパソコン購入を検討していく必要があります。
PC1台で、仕事、趣味、コミュニケーションなどさまざまなシチュエーションで活用が可能です。Windows11は今後も改善されると考えられるため、新機能や変更点へなどの追加情報に注視していきましょう。