世界的なパンデミックの中、リモートワークやテレワークが推進され、急遽実施に踏み切った企業は多くあります。そのような企業ではシステム対応に追われ、実際に導入したものの自社に適したシステムやツールではなかったと感じるケースも少なくありません。特にシステムやツールに慣れず、在宅勤務を行うに当たってはコミュニケーションが取りづらくなったと感じるケースもあるのではないでしょうか。
そこで現在注目されているのが、バーチャル(仮想)オフィスツールです。
バーチャルオフィスツールは、今まで別で行っていたビジネスチャットやWeb会議ツールとは違い、チームメンバーと同じツール内で作業ができることから、オフィスで一緒に働いている感覚でコミュニケーションをとることができます。
簡単に導入が可能なバーチャルオフィスツールとはどのようなものか、メリットや機能を含めながら紹介します。
バーチャルオフィスツールとは?
バーチャルオフィスツールは仮想オフィスツールとも呼ばれ、インターネット上で自宅やオフィスなど離れた場所にいるチームメンバーが、実際にオフィスで一緒に作業をしている時のように仕事ができるサービスです。目的をもって行われるWeb会議やビジネスチャットと違い、チームメンバーの状況を把握できるため、コミュニケーションを容易にとることができます。
では、具体的にどのようなツールなのかを見ていきましょう。
バーチャルオフィスツールとは
バーチャルオフィスツールとは、インターネット上にバーチャルオフィスを構築し、オンラインで社員同士コミュニケーシがとれるようにするツールのことです。
テレワークやリモートワークなど離れた場所にいる社員同士でも、バーチャルオフィスツールを使用すれば実際のオフィスでチームメンバーと一緒に作業を進めたり、気軽に会議をすることが可能になります。テレワークのデメリットである「コミュニケーション不足」を解決でき、導入が比較的簡単なことから、新しい働き方であるテレワークの推進と効率化に期待されているツールです。
バーチャルオフィスツールはどんな場面で使用できる?
バーチャルオフィスツールはリモートやテレワークの仕事だけでなく、オンラインイベント会場や講習会でも使用することができます。交流会やワークショップを企画している企業であれば、バーチャルオフィスツールを導入することで複数の会話が可能となり、グループワークやディスカッションも作業しやすい環境が可能です。講習会では講師が登壇しながら話ができるため、グループワークや課題の発表会にも向いています。
バーチャルオフィスツールの料金設定
バーチャルオフィスツールの利用料金は、初期費用のほか、人数により金額を設定しているケースが多いです。会社によっては無料トライアルや説明会を行っているところもありますので、まずは試してみるといいでしょう。
また、サービスの範囲によって機能の使用制限がある場合がありますので、自社にどれが適しているかサービスを見比べてみるのも失敗しないための秘策です。
バーチャルオフィスツールのメリット
テレワークやリモートワークの課題の一つとして、使用ツールを時と場合に応じて使い分けなくてはならず、なかなか会話ができないことからコミュニケーションの頻度が低下し、在宅勤務に限界を感じる人が増加しています。バーチャルオフィスツールは同じシステムの中で対応が可能なため、ツールに不慣れな人でも安心して作業ができコミュニケーションの幅も広がります。
具体的に、どのようなメリットがあるか見ていきましょう。
気軽に挨拶や相談が可能
在宅勤務でリモートワークやテレワークなどを行っている人の多くは、気軽に会話できるメンバーがいないことにより不満を感じています。テレワークなどで用いられているWeb会議は目的をもっているため、会議の内容以外の会話は好まれないことが多く、気軽にコミュニケーションをとれるツールとしては不向きなものです。
バーチャルオフィスツールは、一緒に作業をしているメンバーとの気軽な会話が可能で、会話への参加・不参加も自由に行うことができます。さらには、メンバーが作業中で話しかけていい状態なのか、手が空いている状態かも把握できるため、離れていながらも実際のオフィスで働くのと変わらないコミュニケーションをとることができるでしょう。また、テレワークによる孤独感も解消されることから、仕事へのモチベーションアップにも繋がります。
生産性の向上に繋がる
チャットツールの選択肢は豊富で、どれが社内に適しているか実際に使用してみないとわからないことが多くあります。またシステムを社内に浸透させるにも時間がかかり、ITツールが苦手な社員にとってはツールを敬遠し、孤独感や疎外感が生まれる可能性もあるでしょう。
バーチャルオフィスツールは、実際にオフィスで仕事をしている感覚を構築することに特化しているため、直感的に使いやすく設計されています。使い方に慣れていけば、自分に必要なところでコミュニケーションがとれるため、実際にオフィスで仕事をするよりも効率化ができ生産性の向上にも繋がるでしょう。
バーチャルオフィスツールは何ができる?
バーチャルオフィスツールは、アバターやイラストを取り入れたものからフォーマルで使用できるツールまで様々です。ここでは、特にビジネスで使用できる一般的な機能を確認していきましょう。
コミュニケーションが簡単にとれる
バーチャルオフィスツールには、チャット、ビデオチャット、音声(ボイス)チャットの3つの機能を備えているものが基本です。この機能により、実際のオフィスで行っていたちょっとした挨拶や雑談などもでき、Web会議のようにかしこまらず気軽に会話への参加が可能になります。
テレワークの課題の一つであるコミュニケーション不足や、何気ない会話ができないことで発生する孤独感が解消できるだけでなく、誰が忙しいのか手が空いているかも確認できるため、実際のオフィスと変わらないコミュニケーションができるでしょう。
画面や資料の共有機能
バーチャルオフィスツールは、画面や資料などを共有できる機能があります。例えば、パソコンの画面を見ながら確認してほしい時や資料を一緒に見たい時など、気軽に共有が可能です。
バーチャルオフィスツールが設計されていないツールでは、各々で接続設定などが必要で共有するのに時間がかかるケースがあります。そのため確認するのに躊躇したり、確認に多くの時間がとられ作業や業務に遅延が発生することもあるでしょう。
バーチャルオフィスツールは手間を省き、気軽に共有することができるのです。
在席確認機能
チームメンバーが在席しているか、離席しているかをリアルタイムで表示できます。休憩中や会議なども把握できるため、相手の状況を確認し会話のタイミングを計ることが可能です。
在席確認機能の設定は、状況に応じて自分で設定する手動設定と、パソコンの操作状況から設定される自動設定があります。自動設定の多くは、一定時間操作を行わない場合、自動的に離席中になるといったものです。
その他にも、バーチャルオフィスツールの中には、静止画像をステータスとしてアップする機能や、部屋のデザインを変える機能があります。
テレワークのデメリットをバーチャルオフィスで解消
リモートワークやテレワークが進められるにあたって、自社のシステムやツールをどうするかはどの企業も悩むところです。特に在宅勤務を行う人は、社内のコミュニケーション不足を感じ、孤独感やストレスを抱えるケースが多いことでしょう。
バーチャルオフィスツールはWeb会議やビジネスチャットツールで感じる不便さをなくし、多くのメリットがあることから導入している企業は増加しています。
自社に適したツールを選び、社員のモチベーションアップにも繋がるバーチャルオフィスツールは、企業にとっても社員にとっても有効的な手段でしょう。