
“ただ聞くだけ”で満足していませんか? 会議や講演で“なんとなく聞いて終わってしまった”という経験はありませんか?
情報が飛び交う今のビジネス環境では、ただ耳を傾けるだけでは非常にもったいないのです。そこで注目したいのが「戦略的リスニング」。これは、必要な情報を選び取り、整理し、行動に活かすための“聞く技術”です。
本記事では、メモ術・情報の構造化・質問テクニックなど、あなたの「聞く力」を飛躍的に高める実践的な方法をご紹介します。
【参考】https://www.stock-app.info/media/how-to-take-note/
【参考】https://comfodex.work/memo_usability/
戦略的リスニングとは?

戦略的リスニングは、ただ単に耳を傾けるだけの受動的な“聞き取り”とは一線を画します。この技術は、話の中から自分にとって本当に必要な情報を「意識的に」選び取り、構造的に理解する能動的なアプローチです。受け身の姿勢では、情報を逃したり誤解したりする可能性が高いため、戦略的リスニングでは自ら積極的に情報を拾い、整理することが求められます。
目的意識を持ったリスニング
戦略的リスニングのカギとなるのは、聞く目的を明確にすることです。会話や講演の中で「何を知りたいか」「何に活かしたいか」を意識して聞くことで、情報の取捨選択が可能になります。目的がはっきりしていると、重要な情報を見極めやすく、無駄に時間を費やすことなく、効率的に情報を整理できます。
こうしたアクティブな聞き方は、記憶に残りやすく、その後の行動や意思決定に直結するため、結果としてより実践的な成果を得ることができます。
情報を逃さない!効果的なメモの取り方

会議や講演での情報を確実に把握するためには、効果的なメモ取りが不可欠です。メモを単なる記録にとどめず、後で活用できる形で整理することが重要です。ここでは、情報を漏らさずに整理するための具体的なメソッドをご紹介します。
5W1Hで情報を網羅的に捉える
5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)は、情報を網羅的に捉えるための基本的なフレームワークです。この6つの要素を意識して話を整理すると、重要な情報を漏らさず、すべての側面から理解することができます。
例えば、「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どうやって」という質問に基づいて情報を整理することで、会話全体を網羅的に把握することができ、後で見返した際にも意味が明確に伝わります。
PREP法で話のロジックを整理する
PREP法(Point→Reason→Example→Point)は、話のロジックを明確にするための有力な手法です。この方法を使えば、話の構成が自然に整理され、要点が明確になります。
まず主張(Point)を示し、その理由(Reason)を述べ、具体例(Example)で補足し、最後に再度主張(Point)を繰り返すことで、発言の核となる部分とその根拠を効果的にメモにまとめることができます。これにより、後でメモを見返した際に、話の流れが整理されて理解しやすくなります。
デジタルメモ vs 手書きメモ:それぞれの強みを知る
デジタルメモはスピードと検索性に優れ、リアルタイムの共有にも便利。一方で、手書きメモは自由度が高く、記憶定着にも効果的。たとえば「会議は手書き」「セミナーはデジタル」など、目的に応じた使い分けがベストです。
「“聞く”から“活かす”へ」情報を構造化するテクニック

会議や講演で得た情報を、ただ聞くだけで終わらせずに、実際の業務や意思決定に活かすためには、情報を適切に構造化することが不可欠です。ここでは、情報を効率的に整理し、活用するための具体的なテクニックを2つ紹介します。
ピラミッド構造で思考を整理する
「ピラミッド構造」は、情報を論理的に整理するための強力な手法です。主張→理由→具体例という順番で情報をまとめることで、話の流れが明確になります。この構造を使うと、話の要点とその根拠を整理し、後で自分がその内容を説明する際にもスムーズに伝えやすくなります。メモの中で図にして整理すると、視覚的に全体像を把握でき、理解が深まります。
フレームワークを活用して整理力を高める
情報が複雑であったり多岐にわたる場合、フレームワークを活用することで整理力が高まります。例えば、MECE(漏れなく、ダブりなく)の原則を適用すれば、情報の重複や漏れを防ぐことができます。また、時系列や因果関係、対比の視点を組み合わせることで、複雑な内容を簡潔に整理でき、後で情報を素早く理解しやすくなります。フレームワークを使うことで、どんなに情報量が多くても整理しやすく、視覚的に情報を把握できるようになります。
鋭い質問でさらに深掘りする力をつける

質問は単なる情報収集にとどまらず、相手の意図を深掘りし、対話をより有益なものにするための重要なツールです。ここでは、質問を効果的に活用するためのポイントを紹介します。
質問は“聞く力”の延長線として活用する
鋭い質問をすることは、聞く力をさらに深めるための重要な手段です。良い質問は、相手の意図や考えを掘り下げ、対話をより豊かなものにします。特に、相手の視点を広げるオープンクエスチョン(例:どうしてそう考えたのか?他にどんな視点があるか?)を投げかけることで、相手の思考を促進させ、さらに有益な情報を引き出すことができます。このように、質問を通じて会話の質を高めることが、深い理解に繋がります。
質問は準備から始まる
質問力を高めるためには、事前の準備が重要です。何を知りたいのか、何を引き出したいのかを明確にしておくことで、質問の質が向上します。会話を聞きながら「ここをもっと掘り下げたい」と感じた瞬間が、質問のヒントとなります。事前に知りたい情報を整理しておくことで、即座に適切な質問ができ、より有意義な対話を生み出すことができます。
戦略的に「聞く」ことで、あなたの情報力が変わる

情報の価値は、「どれだけ聞いたか」ではなく、「どう聞き、どう活かすか」にかかっています。戦略的リスニングを実践することで、単なる受け身のリスニングから脱却し、聞いた情報を実際に活用できる力が身につきます。
戦略的リスニングを実践することで、情報の価値を最大化し、会議や講演から得られる成果を飛躍的に向上させることができます。次の会議や講演から、この技術を意識して実践し、あなたの情報力をさらに強化していきましょう。アクティブリスニングは、特別な才能や訓練が必要なスキルではありません。意識次第で誰でも今すぐに実践できる、非常に汎用性の高いコミュニケーション技法です。
聞き方を変えるだけで、会話の質が変わり、仕事の質も確実に向上します。今日から少しずつ、アクティブリスニングを取り入れてみましょう。