新時代のオンラインマーケティングはアバター接客が注目!

世界的なパンデミックの影響で、従業員や来店者などの直接的な接触を減らすリモート接客が注目されています。その中でもアバターやロボットによる接客への関心が高まり、オンラインマーケティング戦略の一環として、来客した顧客にアバターが対応する「アバター接客」の取り組みが広がっています。

しかしながら、アバター接客は実証実験の段階が多く、ノウハウや作成方法など未知のところも多くあるのが現状です。

今回は、いま注目を集めている「アバター接客」について、内容やメリットなどを含め紹介します。

アバターによって広がるオンラインマーケティング

世界的なパンデミックの影響から、非接触サービスを導入したい企業が増え、オンラインマーケティング戦略として「アバター接客」が注目されるようになりました。

アバター接客はパンデミック時の非接触需要に対応後も、販売員の業務負担を軽減し、対面が苦手な顧客にもニーズできることから顧客満足度の向上にも繋がると言えます。

では、具体的にアバター接客はどのようなものか、アバターの種類を押さえながら見ていきましょう。

アバター接客とは

アバターとは、仮想空間において自分の分身として表示されるキャラクターのことを指します。アバター接客は、モニターやスマートフォンの画面を通じて、スタッフがアバターで表示され接客や販売などを行うことです。

AIやチャットボットとは異なり、リモート操作をしているスタッフがアバターを介して顧客とリアルタイムな会話をします。スタッフの口の動きや表情と連動しているため、顧客はアニメのキャラクターと話をしている感覚で接客を受けることが可能です。

アバターの種類

アバターには、2Dアバターと3Dアバターの2種類があります。

2Dアバターは、平面のイラストを加工してアニメーションをつけたアバターのことです。見た目には1枚のイラストですが、実際には複数のレイヤーが積み重なって構成されているため、複雑な動きは苦手とされています。専用機材が不要なため費用を抑えることができますが、複雑な動きには向いていません。

3Dアバターは、専用のソフトを利用して動作をモデリングし、イラストを立体的に動かすことができるアバターです。顔の表情や指先などの細かい動きが可能で、人間と同じ動きをすることができます。作成ソフトやアプリなどの種類が多く、2Dアバターよりも可動範囲が広いことが特徴ですが、制作や配信機材に費用がかかります。

効果的な運用

アバターの効果的な運用は、SNSや動画配信サイトと一体的に運用することだと言われています。アバターを使用することにより、企業の宣伝効果を期待することが可能です。

ただし、動きの多いアバターや奇抜な色彩などは視聴者の視覚を引き寄せやすい反面、一番大切なコンテンツが埋もれてしまう可能性もあるため、メインをどこに設定するかを考慮する必要があると言えます。

アバター接客を活用するメリット

アバターを接客に活用することは、顧客が親しみが持つことができ、企業のイメージ向上に繋がるだけでなく、人件費削減など企業側にとって多くのメリットがあります。また、それ以外にも自社のマスコットキャラクターを起用することで宣伝効果を生むことも可能です。

では、アバター接客のメリットを確認していきましょう。

顧客満足度が向上する

アバターは直接接客をしなくても、経験豊富なスタッフが対応することで直接コミュニケーションがとれ、従来のサービスの質を保つことができます。直接的な接客が苦手な顧客にとっては、アバターを介することで細かな商品情報など質問がしやすくなり親近感が持ちやすくなると言えるでしょう。

また、アバター接客はアニメのキャラクターと会話をしているような新しい感覚を体験できるため、キャラクターを活用した新しいサービスを提供するなどビジネスの可能性が広がります。

人件費削減に繋がる

アバター接客をリモートで行うことによって、雇用人材の幅が広がり、交通費なども発生しないため人件費の削減が可能です。また現場に滞在する必要がないことから、1人のスタッフが複数店舗に対応ができ、スタッフの分担作業や店舗の省人化に繋がるため大幅な人件費の削減が見込まれます。

トラッキング技術でアバターを効果的に

アバターを効率的に活用する方法は、トラッキング技術を用いることが効率的です。トラッキングすることによって、細かいシステムがわからない人でも簡単にアバターを作成することができます。

では具体的にトラッキング技術やアバターの種類について、細かく見ていきましょう。

トラッキング技術について

トラッキングとは、日本語で「追跡すること」を意味し、ユーザーの情報を取得するためにユーザーの行動を追跡・分析することを言います。

以前は業務用の機材が一般的だったトラッキングは、現在では安価なVR機器が登場し、センサーデバイスやスマートフォン、AIなどによる画像認識の発展によって一般の人でも手に入りやすいものになっています。

フルトラッキング(フルボディトラッキング)

腰部・脛部・腿部に取り付けて使用し、足や腰を含めた全身の動きをVR空間上に没入することをフルトラッキング(フルボディトラッキング)と言います。フルトラッキングは全身が動くため表現力が高く、ダンスをしたり逆立ちをしたり、自分の姿勢がそのままアバターに反映されるのでとてもリアリティがあります。

ただし、フルトラッキングは専用のスタジオや機材が必要で、価格も数百万と高価であったため気軽に導入することが難しいものでした。現在は、Bluetoothを使用した数万円で購入できるものも出始め導入するユーザーも増え始めています。

フェイストラッキング

フェイストラッキングとは、カメラなどの画像の中から人の顔を認識し、顔の傾きや大きさ、顔のパーツの位置などを立体的に検知することのできる画像解析の技術です。この技術を利用することにより、表情でプログラムをコントロールしたり、他の人の顔を合成したりと様々な応用ができます。

顔のみの配信になるため導入が簡単で、在宅配信することも可能です。価格も安く、無料でダウンロードできるものもありますが、別のアプリケーションとの連携する必要が多いため、その場合の費用はおおよそ5千円程度になります。

フェイストラッキングのおすすめアプリ

アバターを一から自分で作成するのは大変な作業のため、専用のアプリを利用すると効率的でしょう。今回は、初めて作成する人にも使用しやすいフェイストラッキングのアプリ2つを紹介します。

facerig

PC向けのトラッキングアプリで、現在普及率が最も高いと言われています。機能が必要最低限に絞られていることから、初心者でも扱いやすくすぐにアバターを動かすことが可能です。

FaceRigのサポートは2021年12月31日で終了となりますが、次世代版「Animaze by FaceRig」が発表されました。現在のFaceRig使用者はAnimazeのサブスクリプションが大幅に割引され、Animaze用に変換されたFaceRigアバターが無料で利用できます。次世代版では、無料版と2つのサブスクリプションプランが用意されていますが、チャンネルからの売上が高額になると、年間費用が上がるため注意が必要です。

live2d

live2dは、株式会社Live2Dが開発した、2Dのモーフィングによるシームレスアニメーションを可能にする映像表現技術です。原画の素材をそのまま扱えるため、その絵の持つ魅力をダイレクトに活かしながら立体的に表現することが可能です。

費用は年間売上高によりますが、単月・年間・3年間に分かれており、年間プランで長く使うほど安くなります。42日間の無料トライアル版のダウンロードができるので、契約前に試してみるのが得策です。

アバターを活用したAIリモート接客が実現

ギグワークスクロスアイティが提案するリアルとデジタルを融合させたAIリモート接客でも、アバターを介してのアバター接客ができます。

ギグワークスクロスアイティのリモート接客は、ノウハウが少なくてもAIがフォローしてくれるため、顧客に合わせた的確なアプローチを実現できるのが魅力です。

ギグワークスクロスアイティのリモート接客

ギグワークスクロスアイティのリモート接客は、遠隔で待機しているオペレーションセンターのスタッフによって顧客に直接声をかけて接客することができます。また店頭サイネージに搭載するAIカメラやセンシング技術により、顧客の反応を可視化することができ、顧客情報はデータとして蓄積されることも魅力の一つです。

アバターを利用したリモート接客

ギグワークスクロスアイティのリモート接客は、AIによるリモート接客だけでなく、アバター接客を導入することできます。実際のスタッフと同様に接客が行えるだけでなく、バーチャルタレントのコラボレーションや自社のマスコットキャラクターを使用するなど顧客の好奇心を掻き立てるのに効果的です。

また、立体映像で臨場感を高める3Dホログラムを活用することも可能で、実際にホテルなどでも使用されています。

アバター接客でビジネスの拡大を

新しい接客の手段としてリモート接客が注目され、その中でもアバターを活用したアバター接客はオンラインマーケティング戦略として関心が高まっています。

アバター接客は、商品情報の説明や商品に対する質問など現在の顧客のニーズを維持するだけでなく、直接的な接客を苦手とする顧客にとっても受け入れやすいため顧客満足度の向上が期待でき、企業にとっても人件費削減やサービス向上に繋がります。

新しいアバター接客を実現し、幅広いビジネスを可能にしていきましょう。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太