センター長必見!ベテランSVからの反発あるある3パターン

コールセンターという職場で「マネージャー」「センター長」など、SVの「上司」となるかたがたが、必ずと言ってよいほど一度は悩むテーマがあります。

それは、経験豊富なベテランのSV(スーパーバイザー)からの「反発」です。

評価面談やフィードバックなどの場面で想定外の猛反発に遭ってしまい、どのように向き合ったらよいか悩ましい思いを抱える上司のかたは少なくありません。本稿では、コールセンターのベテランSVがどうしても反発してしまいがちな場面と、その理由について考察します。

SV自身が優秀な「上司」であることが多い

SVの仕事が「人材育成」そのもの

コールセンターでは、SVになったとたんに「人材育成」の役割が求められます。コールセンター業務は、オペレーターのパフォーマンス次第で品質が上下します。ストレスが少なくないオペレーターの状態に常に気を配り、声をかけ、育てていくことはコールセンターの品質管理を担うSVの重要な仕事なのです。

例えば、オペレーターに対して何か注意や指示を与える時などにも「育成」の観点を重要視しています。「伝え方」や「態度」に細心の注意を払いながらも、毅然とした態度でフィードバックすることでしっかりと改善させなければ、コールセンターの品質は上がりません。SVには必然的に指導力・育成力養われていくのです。

優秀なSVは、オペレーターを日頃からよく観察し、タイムリーにほめたり叱ったりしてヤル気を引き出しつつ指導することに長けているものです。

上司としての部下育成スキルが高いSVだからこそ、自分の上司にも同様もしくはそれ以上の部下育成の姿勢やスキルを求めがちになることを覚えておく必要があるでしょう。

オペレーターからの反発にも上手に対処

SVは自分より経験が長いオペレーターや、年上のオペレーターに対しても指導を行うことが多いものです。言葉選びひとつで反発されることなどは日常茶飯事です。

自分で受電のペースをコントロールできないオペレーターから見ると、SVという役割は一見楽そうに見えてしまうことがあり、SV同士で談笑しているだけでも、すぐにオペレーターから厳しい目で見られてしまいがちです。

執務中でも常にオペレーターからどのように見えるのかを理解し、気を抜くことなく業務にあたっているのです。

自らが上司として常に人材育成のトライアンドエラーを重ねながら業務をこなすSVです。どうしても、自分の上司への見方や評価も厳しくなるのです。

このようなSVの業務特性による心理的な背景をふまえながら、SVが上司に対して反発を感じるポイントを考えてみましょう。

SVの反発ポイント1「アナタになにがわかる!」

「および腰」のフィードバックにイラッ!

センタ―長やマネージャーが、上司としてSVを評価する際の難しさのひとつに、コールセンターの現場業務に精通していないという側面があるのではないでしょうか。

現場がわからないために、評価面談などで遠慮がちな態度が生じてしまうことがあります。しかしこれはSVをイラッとさせるポイントです。配慮をしながらも、毅然とした態度でオペレーターを指導しなければならないSVからは厳しい目で見られてしまう可能性があります。

また、誰かから伝え聞いた「借り物」の知識でわかったようにフィードバックするような態度が感じられると、SVが反発することがあります。「アナタになにがわかる!」「じゃあアナタがやってみれば?」などと言いたくなってしまうのです。

対面ではなく、電話という「非対面」で顧客の状態を感じとり、最適な対応を行うプロであるSVです。付け焼刃のような「ごまかし」は見破られると心がけましょう。

マネジメント層とSVの「ミッション」の違い

組織内での一般的な昇進のステップを経験していないSVは少なくありません。新卒で入社し、上司や先輩から企業文化を吸収していくステップを踏んでいないのです。

他部署から着任したセンター長が、これまで接してきた部下とは異なる「扱いにくさ」を感じる要因がこのあたりにあると考えられます。

会社組織の観点からは、センター長などのマネジメント層が現場業務に精通している必要はないのです。むしろ、マネジメントスキルや他部署での経験を発揮することが求められているのです。

SVはアルバイトのオペレーターから昇格していることも多いもの。正社員のように会社組織の一員として、上司と自分には求められる役割が異なるということを、理解できていないのは当然かもしれません。誰も教えてくれないことなのです。

現場業務についてではなく、組織としてSVに求めているミッションを言語化して伝えるだけでなく、センター長やマネージャーなど、マネジメント層が担うミッションとの違いについて伝えることで、両者間の相互理解に繋がった事例は少なくありません。

SVの反発ポイント2「見ていないクセに!」

事前準備してからフィードバックするSV

コールセンターほど、データを根拠として評価ができる組織は少ないのではないでしょうか。コールデータから生産性が算出されるだけではなく、応対の「感じよさ」「感じ悪さ」までが数値ではじき出され、それが評価に直結するのは、コールセンターにおける人事評価の特徴です。

SVがオペレーターを評価する際には、これらのデータを根拠として具体的にフィードバックします。またそれだけではなく、日頃からオペレーターに目を配り、すぐにフィードバックする習慣が身についていることが多いのです。

具体性のない評価にイラッ!

SVはフィードバックするための材料を、面談やフィードバックを行う前の段階で事前にしっかりと準備しているということです。

そのため、上司との面談の場で、自分の評価に具体性がなく表面的・抽象的なフィードバックをされると、SVが反発を感じるのは当然の反応かもしれません。

SVに抽象的な伝えかたをした結果「具体的にはどのようなことでしょうか?」「それはいつのことでしょうか?」などと切り返されて返答に窮したというセンター長は少なくありません。SVからは「自分のことを見てもいないクセに!」と言いたくなるのです。

センター長は、これまでの部下育成面談の経験がコールセンターという職場では通用せず「唐突な反発」「逆ギレ」のように感じられてしまう可能性があります。

SVの反発ポイント3「正社員はいいよね」

コールセンターに潜む「雇用形態」に起因する不満

コールセンターに限らず、コロナ禍で真っ先に在宅勤務に移行できたのが「正社員」だったという職場は少なくありません。

昨日までデスクを並べて一緒に仕事をしていても、「雇用形態の違い」で、感染危機にさらされるか否かの明暗を突き付けられる結果になったのです。

雇用形態の違いが命の重さの違いのように感じられてしまったというオペレーターのかたも現実にいらっしゃいました。常時電話対応での飛沫がリスクとなるコールセンター勤務であり、通勤途上のリスクを含めて不安と不満が大きくなったといえるでしょう。

もっとも、新型コロナの感染拡大が起こる以前から、コールセンターにおける多様な雇用形態が、現場で働く人たちに与える影響は少なくありませんでした。コロナで顕在化しただけなのです。

近年はSVを正社員雇用としている企業も少なくありませんが、非正規雇用でのSVもまだまだ少なくありません。「SVになったら時給100円アップ&責任も100倍」などと揶揄されるように、処遇や雇用と職務内容がアンバランスになりがちなのがSVであることも現実です。

センター長やマネージャーを含めた「正社員席」がコールセンター現場からどのように見えるのか、雇用形態や処遇を含めて意識してみる視点が必要かも知れません。

まとめ

いかがでしたか。今回は、SVが上司に対して反発を感じてしまいがちなポイントについて考えてきました。現場をよく観察しながら対話を重ねていくことが、円滑な関係性を保つポイントではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ギグワークスクロスアイティ編集部