チャットボットでコンタクトセンター業務を効率化!
~チャットxロボット~

チャットボットは有人チャットとは異なり、システムが問い合わせに対して自動的に分析・回答を行います。チャットボットの導入で同時に多量の顧客対応が可能となるため、受電数の多さや応対率の低さに悩むコンタクトセンターの大きな助けとなるでしょう。しかし、導入には、ツールの選定を始め、シナリオや学習データの構築など様々な準備が必要です。チャットボットの成り立ちに触れつつ、タイプ別のチャットボット作成方法やコンタクトセンターにおける役割と運用ポイントについて見ていきましょう。

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チャットボットとAPI

チャットボットはSNSとの連携で一気に認知され、今では様々な場面で活用されるようになりました。まずは、チャットボットとそれをアプリと連携させるAPIについて説明していきます。

ボットとは?

ボットとは事前に定められている一定のタスクや処理を、自動的に行うためのアプリケーションやプログラムのことです。一口にボットと言っても、スイッチのオンオフといった単純なものから、人工知能を組み合わせ、パーソナルアシスタントとして働くものまで幅広く存在します。

チャットボットとは?

チャットボットは「チャット」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた造語で、テキストを通じて自動的に会話をするプログラムを指します。チャットボットの原型ともいえる「ELIZA(イライザ)」は、1966年にジョゼフ・ワイゼンバウムによって作成されました。当初はキーワードに反応するだけの単純な応対しかできませんでしたが、AI技術の進歩は目覚ましく、Apple社の「Siri」やマイクロソフトソフト社の「Dialogflow」など次々と新しいチャットボットサービスが生まれています。

「API」活用でチャットボットの可能性が広がる!

「API」は「Application Programming Interface」の略語で、アプリケーションとプログラムをつなぐ役割があります。APIを活用し、既存のSNSや顧客管理システムと連携すれば、チャットボットの効果的な運用が可能です。実際に、LINEやFacebookメッセンジャーがチャットボットに対応したAPIを発表したことで、チャットボットの注目度は一気に高まりました。

チャットボットの作り方

チャットボットには、大きく分けてルールベース型とAIベース型があります。それぞれの特徴と作り方、導入のポイントについて見ていきましょう。

ルールベース型とAIベース型

チャットボットの作り方は「ルールベース型」と「AIベース型」の大きく2つに分けられます。ルールベース型がチャットボットの提示した選択肢をベースに対話が進むのに対し、AIベース型はAI技術と高度な自然言語処理を活用することで、より柔軟性のある対話を通じてお客様の課題解決につなげることが可能です。ルールベース型はお客様の質問に対し正確な応答が期待できますが、複雑な質問や予め設定されていない問い合わせへの対処ができません。一方、AIベース型は難易度が高く幅広い対応ができますが、AIの習熟が進んでいない状態だと見当違いな返答になる恐れがあります。どちらを選んでもメリット・デメリットがあり、効果的に運用していくためには下準備とメンテナンスが必須です。

チャットボットの作り方:ルールベース型

チャットボットの作り方はAIを実装するかどうかで大きく異なります。ルールベース型の基軸となるのが「シナリオ」づくりです。具体的に想定される会話のやり取り、こう問いかけられた場合はこう答えるといった会話パターンを作成します。対応できない内容に対する回答の定型文も用意しておきましょう。システムから構築する場合もありますが、既存のチャットボットツールを使うことで、手間とコストを抑えることができます。

チャットボットの作り方:AIベース型

AIが的確に文章の意味を読み取り回答を行うためには、その分析の下地となる断片的な情報の集まりである「学習データ」を用意する必要があります。お客様対応に関して言えば、一般的な応対と商品情報などをまとめた自社の「学習データ」です。分析に用いる情報が多いほど、AIがルールやパターンを認識しアルゴリズムを学習できるため、質の良い情報蓄積が非常に重要となります。こちらも、ゼロからプログラムを構築する方法か既存のツールを利用して導入するか選ぶことが可能です。

チャットボット導入のポイント

チャットボットは電話による問い合わせを減らすための有効な手段です。しかし、充分な情報の蓄積やシナリオの練り込みがなされていないと、回答精度が低く使い勝手の悪いチャットボットになってしまいます。また回答文も誰が見てもわかる平易な文章にすることが大切です。導入初期は学習やシナリオの準備が十分でない場合を考え、応対内容を絞ったスモールスタートをおすすめします。

コンタクトセンターにおけるチャットボットの運用

チャットボットがもたらすメリットは少なくありません。コンタクトセンターにおける役割と運用に必要なメンテナンスを確認しておきましょう。

チャットボットがコンタクトセンターにもたらすメリット

チャットボットの導入で24時間365日、多量の並列対応ができるようになります。定型的な問い合わせをチャットボットに任せることで、オペレーターの負担を軽減し、お客様の利便性を高めることが可能です。比較的導入が容易なことから多くのサイトやコンタクトセンターで活用されるようになりました。

コンタクトセンターでの運用

チャットボットの適切なメンテナンスを行うため、運用には専任者をたてましょう。というのも、シナリオや情報の更新、ツールのアップデートや不具合への対応を始め、チャットボットの利用率や離脱率、解決率などから当初の導入目的が達成されているか測定・対策を取らなくてはならないからです。

利用率が低い場合はチャットボットの設置個所やデザインを見直したり、離脱率が多い場合は離脱するポイントを見極め、回答文の調整などを行います。比較検討するためにも、導入前の数値を把握しておくことが重要です。

チャットボットの活用事例

活用は単なるお客様対応にとどまりません。シナリオや学習データ次第で多種多様な受け答えが可能です。具体的な活用事例を見ていきましょう。

チャットボットでWebマッチング

ゴルフ関連の事業を展開しているゴルフダイジェスト・オンラインでは、チャットボットでお客様が望むスペック・価格帯のゴルフドライバーを提案する「Easy Web Matching」サービスを提供しています。利用者はチャットボットの質問に回答するだけで、自身に最適なゴルフクラブを選ぶことが可能です。電話や対面でのカウンセリングに比べ、より気軽に利用できる点が魅力といえるでしょう。さらにAIによる学習を進めることで、カウンセリングといったより専門的な応対も不可能ではありません。

【参考】ゴルフダイジェスト・オンライン「チャットボットでゴルフクラブのお悩み解決!」

ひまつぶし専用AIチャットボット 「That’s Life」

雑談を通じてお客様のことをもっと知りたいという要望から、トヨタ自動車と「rinna」の共同開発で生まれたひまつぶし専用AIチャットボット 「That’s Life」には、可愛らしいキャラクターが使用されています。正確な日本語で雑談をさせることが難しいことを逆手に取ったゆるキャラです。キャラクターを立てることでお客様に親しみをもってもらい、待ち時間を楽しく過ごすことができます。

【参考】暇つぶし専用チャットボットが、ユーザーと企業を雑談でつないでみた

先生はチャットボット?英語学習をゲーム感覚で

日本語でなら雑談相手、英語でなら雑談がそのまま英語学習につながります。英語は日本語よりも文法がしっかりとしており、より正確な受け答えが期待できるでしょう。さらに、応対者の習熟レベルに合わせてAIの学習も進んでいくため、生徒に合わせて自然な形でレベルアップしていくことも魅力です。

【参考】ロボットと会話して英語学習!:役立つチャットボット5選

チャットボットは心強いパートナーに

チャットボットを活用することで、コンタクトセンターは応対業務の効率化が可能です。24時間稼働するシステムによる自動応対は、お客様の利便性を高め、満足度を向上させます。また、電話や対面での問い合わせよりも気軽に行えるため、今後もチャットボットの利用場面は増えていくでしょう。さらに、AIベース型のチャットボットなら、学習を進めることで、単なるFAQ対応だけではなく、カウンセリングやコンシェルジュのような役割を担うことも不可能ではありません。チャットボットは、今後のコンタクトセンターの発展のためにも、是非前向きに検討していきたいツールです。

この記事を書いた人

XIT編集部 スペシャリスト 塚越友貴