AIカメラ搭載のデジタルサイネージでオンライン接客!店舗のDX化を推進

デジタルサイネージと呼ばれる新しい情報発信システムが、街頭や駅、空港や小売店などさまざまな場面で活用されるようになりました。当初は予め編集された動画を流すだけであった電子看板ですが、昨今は、通信技術やAIテクノロジーの進歩によって、インターネットを通じ、よりお客様に寄り添った個別のアプローチができるようになりつつあります。特に、AIカメラを搭載させることで、店舗内のリサーチや顧客動線、注視される広告や顧客属性などのリアルタイムな測定、オンライン接客が実現可能です。

デジタルサイネージの広がりや種類、AIカメラをサイネージに搭載することで生まれるさまざまなメリットについて紹介します。

デジタルサイネージとは

一般にサイネージと言うと「デジタルサイネージ」を指すことが多くなりました。従来のポスターや看板に変わる新しい情報発信システム「デジタルサイネージ」とは一体どのようなものでしょうか。

デジタルサイネージの広がり

デジタルサイネージは、日本語にするなら電子看板・掲示板といった意味です。不特定多数の人に対して情報を発信するディスプレイやプロジェクターなどの映像機器全般を指し、街頭の大型テレビジョンを始め、駅や空港、ショッピングモールやエレベーターなどさまざまな場面で広がりを見せています。オンラインでの相互コミュニケーションができるようになったことで、単なる掲示物としてだけではなく、新しいコミュニケーションツールとしての役割が注目されるようになりました。ANAグループ会社である全日空商事が、空港向けに「トラベルメディア エアポートダイナミックアドビジョン」を展開するなど多くの業界で活用が進んでいます。

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デジタルサイネージの種類は?

デジタルサイネージは、ディスプレイ内蔵のメディアプレイヤーで動画を再生する「スタンドアロン型」やインターネットから動画を配信させる「ネットワーク配信型」、タッチパネルなどを利用した双方向性を持つ「インタラクティブ型」の3つに分類されます。
それぞれが得意とする場面に合わせ、スタンドアロン型は社内インフォメーションや小売店、ネットワーク配信型はチェーン展開をしている企業、インタラクティブ型はより利用客の要望に即した情報の提供が可能なため接客の窓口などとして使い分けられています。ポスターや看板と異なり、差し替え工数がかからず即時性があること、動画による視認性の強化ができることなども大きな魅力です。

インターネット接続でよりオンタイムなアプローチを

ネットワーク配信型やインタラクティブ型は、インターネットでつながることで遠隔的にサイネージの表示内容を変えることが可能です。特にAIカメラなどを搭載したインタラクティブ型のデジタルサイネージは、情報の蓄積や分析、顧客状況に合わせたオンタイムのアプローチができます。さらに、オペレーターによるリモート接客などといったマーケティング手法の拡大にも期待できる新しいツールです。

AIカメラ搭載サイネージはメリット満載

AIカメラをサイネージに搭載することで、商品広告や情報発信だけではなく、店舗やお客様の動向に関する情報収集・分析が可能になります。具体的にどのようなことができるのか見ていきましょう。

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顧客動線を分析し効果的なアプローチを

AIカメラ搭載サイネージ(以下AIサイネージ)を活用することで、サイネージの視聴者数や画面を注視した時間、視聴者の性別や年齢などの属性、注目されている広告や店舗内の顧客動線など、今まで実店舗では難しかったさまざまな計測・分析ができます。サイネージに対するお客様の反応を漏れなく計測できるため、広告効果の測定が容易となり、データに基づいたより効果的な広告や商品配置の検討が可能です。

顧客情報管理ソフトと連携させてより細やかなアプローチを

さらに、顔認証とPOS(販売時点情報管理システム)連携で過去の購入実績と紐づけることができ、お客様の趣味・嗜好に合わせた広告や提案を個別に表示できます。店員がお客様の顔を覚え個別の提案を行うような、より緊密な接客が実現するでしょう。

店舗の無人化・少人数化が進む

AIやIoT技術の進歩を受け、店舗の無人化・少人数化は今後ますます進んでいくでしょう。労働人口減少による人手不足やコロナ禍による非接触接客の推奨、経済成長の停滞などの影響を受け、業務の効率化やコストの削減が求められていることも無人化・少人数化を加速させる要因です。さらに、AIサイネージには不審な動きを察知し、要注意人物がきたらアラートを出すなどの防犯効果もあり、店員としてだけではなく、警備員のような役割を果たすことも期待できます。

AIサイネージでDX化!XITのリモート接客

XITはさまざまなCRMシステムやクラウドサービスを提供し、実績や経験に基づいた効果的な営業アプローチを提案しています。システムや機器の設置を始め、保守管理などを含めたトータルなサポートプランの用意が可能です。

リモート接客の実現

AIサイネージを活用し、 遠隔地のオペレーターによるリモート接客を実現します。一カ所のオペレーションセンターから複数の店舗やサイネージに接続できるため、1人のオペレーターが複数のサイネージを担当したり、全国各地の店舗の対応をしたりなど人員の効果的な活用が可能です。

効率的な接客プランの策定

AIが店舗の混雑率を計測し、より効果が見込める店舗や時間を抽出することで、無駄のないオペレーターの配置が可能です。また、店舗内の状況確認もAIが行うため、オペレーターによる目視の必要がありません。専門知識を持つ少数精鋭の人員で、全てのサイネージが管理できるようになります。

デジタルサイネージとしても活用可能!

オペレーターが対応できない場合は、そのままデジタルサイネージとして使用することもできます。AIカメラとの連動でお客様の年齢・性別を推定し、そのお客様により響く広告を表示することが可能です。

AIサイネージで一歩進んだリモート接客を

AIサイネージの活用で、少人数による店舗の管理や顧客動向の調査・分析、インターネットを通じたリモート接客が実現できます。特に、複数拠点や店舗を展開している企業は、稼働させている全てのサイネージをオンラインで更新できるため、管理の手間を大幅に軽減し、応対品質の標準化を図ることが可能です。さらに、リモート接客ならスキルの高いオペレーターが日本全国で対応することもできます。マーケティングの観点からも、AIカメラを搭載したデジタルサイネージは今後増えていくでしょう。AIによる業務のDX化は恩恵も大きいため、是非積極的に活用していきたいところです。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太