Amazon Connectで在宅テレオペを実現!
コンタクトセンターの新しい形とは 

新型コロナウイルスの影響でビジネス環境だけでなく、生活様式まで変わったことでコールセンターも変革を迫られました。感染対策が求められる中でも業務を安定的に継続させるため、クラウド上でコンタクトセンターシステムを構築する「Amazon Connect」を導入する企業が増えています。コンタクトセンターにクラウド化が求められる背景に触れながら、 Amazon Connect に関する基礎知識や導入までの手順について見ていきましょう。 

Amazon Connect とは?

近年注目されているAmazon Connectは、コンタクトセンターを短期間で構築・運用できるクラウドサービスです。その概要や特徴について見ていきましょう。 

Amazon Connectとは

Amazon Connectとは、アマゾン ウェブ サービス (以下 AWS )が提供するコンタクトセンター向けプラットフォームサービスです。 もとは通販サイト「Amazon」向けに開発されたシステムでしたが、現在はコンタクトセンターの在宅化を目指す企業も導入を進めています。従量課金制を採用しているため小規模コンタクトセンターにも導入しやすく、チャットやメールなどのオムニチャネルにも対応可能です。 

従来のコンタクトンターとの違い

従来のコンタクトセンターは企業ごとにシステムを構築し、オペレーターを集めて業務を行うスタイルが主流でした。0から設計開発を行うため自由度が高いものの、リリースまでに多くの時間やコストが必要とされます。しかし、クラウドサービス であるAmazon Connectなら専用の機器やシステムが不要なため、比較的短期間かつ低コストでコンタクトセンターを構築することが可能です。

求められるコンタクトセンターのクラウド化

コロナ禍の影響でコンタクトセンターにおいても業務の在宅化が求められています。しかし、電話回線や専用ネットワークであるVPN接続を利用した従来方式では、コストや手間などから在宅化に向いていませんでした。ところが、ソフトフォンの使用を前提としたAmazon Connectの登場でコンタクトセンターのクラウド化が実現し、インターネット環境とパソコンさえあれば、どこからでもコール業務を行うことができるようになりました。コロナ禍のような災害が起こった際にも、センター機能を分散化し業務を継続したり、状況に応じて働く場所を柔軟に調整することが可能です。さらに、オペレーターの確保という観点からもクラウド化には大きなメリットがあります。 

Amazon Connect の知っておきたい基礎用語

Amazon Connectの仕組みについて紹介する前に、基本的な用語について確認していきましょう。 

AWS

AWSはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称です。サーバー環境の構築やデータの保存、コンテンツの配信、AIの活用やデータ分析など様々なサービスがあります。

オムニチャネル・クラウド・コンタクトセンター

電話やメール、チャットやアプリなどが利用できるオムニチャネル化されたクラウドサービスを利用したコンタクトセンターです。システムとオペレーターをインターネットでつなぐことで在宅化を実現し、チャネルをまたいだシームレスな対応が可能となります。 

テレフォニー

テレフォニーとは音声通話の長距離通信技術を意味します。2者の対話型通信を可能にするように設計されたすべての種類の音声機器の総称でもあり、もっとも一般的なものは電話機器です。「IPテレフォニー」とはIPネットワークを利用した電話サービスの総称となります。 

PBX(Private Branch Exchange)

複数の電話回線を管理しオペレーターに振り分けを行う電話交換機です。処理状況を数値化するなどの様々な機能を持つコンピューターです。Amazon Connectはクラウドサービス上にPBX機能を実現しているため、PBX機器を用意する必要がありません。 

IVR(Interactive Voice Response)

IVRとは 「自動音声応答システム」を意味します。お客様相談窓口やコールセンター、郵便物や宅配便の再配達など幅広い分野で使われています。Amazon Connectでは画面上で設定することが可能です。

ACD(Automatic Call Distributor)

ACDとは着信呼自動分配装置のことです。お客様から入電があった際に、事前に設定したルールに基づいてオペレーターの空き状況や優先度に応じて自動的に振り分けます。 

CTI (Computer Telephony Integration)

CTIは電話やFAXとコンピュータを連携させる技術です。コンピューターにつないだヘッドセットで電話の受発信が行えるため、電話対応業務を効率化することができます。Amazon Connectでは専用のソフトフォンが用意さています。 

プレディクティブダイヤラー

顧客リストに基づく一斉自動架電を行い、通話になった場合のみ接続する架電システムです。一件ずつ自動で架電するオートコールとは異なり、一斉に架電することでオペレーターの待機時間を削減します。 

Amazon Connect の始め方5ステップ

Amazon Connectは5つのステップで始められます。下準備としてAWSサービスアカウントを作成し、リージョンは「アジアパシフィック(東京)を選択しておきましょう 。 

ステップ1 インスタンスの作成 

AWS管理画面上部にある検索欄に「Amazon Connect」と入力し、Amazon Connectサービスを表示させます。「今すぐ始める(Creat Instance)」をクリックし、 URLの設定や管理者の追加、管理権限のチェックなど、必要な設定をしていきましょう。詳細設定や変更は後からでもできます。最後に「インスタンスの作成」を押し「成功」と表示されたら完了です。設定方法の詳細は管理者ガイドから確認できます。  

ステップ2 電話番号の取得  

Amazon Connectで取得できる電話番号は、050番から始まる直通ダイヤル(DID)と、無料通話である0120番号や0800番号です。無料通話番号のみが移行可能で、東京に現住所があれば03番号も取得できます。申請には代表者の身分証と住所証明書のコピー、インスタンスARNが必要です。 

ステップ3  営業時間の設定  

営業時間を設定することで、時間帯によって転送先が振り分けられます。 

ステップ4 お問い合わせフローの設定 

ダッシュボードの「ルーティング」からお問い合わせフローを設定します。コンタクトセンターの運用に合わせ、画面上でアクションを定義したブロックをドラッグアンドドロップで配置し、矢印でつないでフローを構築します。この時にキュー設定やユーザー追加、電話番号とフローの結び付けを行ないましょう。 

ステップ5 動作確認 

従来、コンタクトセンター立ち上げには、電話回線や電話機の準備、PBXやコンタクトセンターシステム構築、ネットワーク連携やセキュリティ対策、オフィススペースの整備など、膨大な時間とコストが必要でした。しかし、Amazon Connectを利用することでシステムの構築やセキュリティ対策の手間暇が激減し、パソコンとネット環境があれば電話回線や電話機、PBXなどが不要となります。さらに、Salesforceをはじめとしたソフトウェアと連携をすれば、より自社に適したシステムの構築が可能です。 

Amazon Connectで在宅テレオペを実現!

BCP対策や働き方改革、雇用の確保など様々な課題を解決するために Amazon Connect のようなクラウドサービスはますます充実していくでしょう。 Amazon Connect によるコンタクトセンターの構築は、従来の電話回線や自社システムを使ったセンター設立よりも、ずっと簡単に低コストで行うことが可能です。新型コロナウィルスのような社会情勢の変化や顧客ニーズの多様化に対応する手段の一つとして、Amazon Connectを選択肢の一つにいれておくことをおすすめします。 

この記事を書いた人

XIT編集部 スペシャリスト 塚越友貴