導入事例|セイコーウオッチ株式会社様

デコールCC.CRMの導入で
CTIとFAXの一元化で、業務効率と顧客満足の向上を実現

時計メーカーとして世界でも名高いセイコーホールディングスグループにあって、主力商品である腕時計の企画・販売を担うセイコーウオッチ株式会社(以下、セイコーウオッチ)。全国の小売店の販売窓口となっている同社国内営業本部 専門店営業2部には、毎日数百件の商品受注電話やFAXがあり、その対応に追われていた。
 そこで、業務効率の向上を図るとともに取引先の満足度を高めるために、CTIおよびFAXのシステムを全面的に見直すことを決断。オー・エイ・エス株式会社(以下、OAS)が提供するCTI/CRMソリューション「DeCall(デコール)シリーズ」が業務支援の一翼を担っている。

背景

セイコーウオッチ株式会社
国内営業統括部 課長
井川 淳 氏

セイコーウオッチの国内営業本部 専門店営業2部は、全国時計店や量販店の一部を担当しており、その数は全国12,000店に及ぶ。同部署の主要業務のひとつが各小売店からの商品受注で、一日平均300件の電話と130件のFAXがあり、担当者はその対応に追われていた。とくに休日明けの午前中には商品受注が集中し、取引先から「電話がつながりにくい」というクレームが寄せられることもあったと言う。

「こうした状況を改善すべく、担当者の増員など現場の業務改善を主体としたさまざまな施策を行うなかで、システムの見直しも検討課題となりました。従来のシステムは、CTIとFAXがそれぞれ異なるシステムで運用されており、電話とFAXが連携していないという問題点がありました。そのため、受注担当者は電話担当とFAX担当に分けて配置しなければならず、取引先から『先ほどFAXを送ったんだけど』という電話があると、取引先をお待たせして電話担当者がFAX担当者に確認するという手間とタイムラグが生じていました。」と 国内営業統括部 課長 井川 淳 氏は言う。

問題点をまとめると、以下のようになる。

セイコーウオッチ株式会社
  • CTIとFAXが各々異なるシステムを導入していたため、連携が取りづらい
  • 上記の理由により、電話とFAXのそれぞれに専任の受注担当者を置く必要がある
  • 午前中や休日明けなどの受注ピーク時に、応答率が低下してしまうことがある
  • 現場の電話回線の構成では、混雑状況の把握が難しいことや、転送の際に問題があるなど不都合が生じている

そこで、セイコーウオッチはCTIとFAXのシステムの統合を中心要件としたプレゼンテーションを各社に依頼。
セイコーホールディングスグループ各社への音声系ネットワークの構築で実績のあったNECマグナスコミュニケーションズ株式会社(以下NECマグナス)にも声を掛け、NECマグナスがコールセンターのCRMソリューションシステム「DeCallシリーズ」で数々の実績を挙げているOASにアプリケーション面での協力を依頼した。NECマグナス・OASの二社共同提案は、CTIとFAXの異なる2チャネルの履歴が統合できるという要求を満たしており、また現行のインフラを最大限に流用できるものであった。

導入の過程

現場の要望を聞き、最適なカスタマイズで対応

セイコーウオッチ株式会社

「システム変更によって業務に支障を来たさないようデモ機で操作を確認しながら、実際に使用することになる現場担当者とともに詳細な要件を固めていきました。」と井川氏。現場で実際の作業を行う柳沼氏・阿部氏が積極的に打合せの場で要件を述べたことが大きかったと言う。

現場では、業務改善の要点として電話応答率の向上や、顧客マスター情報の一元化、グループを分けた着信優先の設定、個人内線との連携、などを検討していた。

①マルチチャネルデータの一元管理

取引先から電話で「先ほどFAXを送ったんだけど」という問い合わせがあった場合、電話を受けた担当者が画面上で
「いつ、誰が、FAXを受けて、現在どうなっているのか」をリアルタイムで把握でき、その場で「確かにFAX届いています。」「現在、処理中です」などの回答を迅速に行えるようにするため、CTIとFAXのシステムを統合し、共通のデータベースで管理するようにする。

②FAX編集画面のカスタマイズ

受注の電話・FAXを受け付けた際に発注書に書き込む回答は、全員が同じ文言を使用する為、共通定型文を作成し、
ワンクリックで貼付できるようにする。
また旧システムの機能で便利だった、在庫の有無を○×?などで表すスタンプ機能を追加する。

③PBX収容によるACD機能

PBXを通さない専用回線を使用しているために起こっている、電話転送時に一時応答ができない・積滞状況がわからないなどの不都合を解消し、ACD機能を追加することで更なる業務効率のアップを目指す。

これらの要望を元に、NECマグナスがシステム全体のSIに加えインフラの最適化を、OASが現場で使用するアプリケーションをと、ヒアリングを行いながら必要な機能を体系的にまとめていった。そして一年後、いよいよシステムの稼働となる。

実現後の効果

細かいところまで機能が充実、当初の問題点を解決

セイコーウオッチ株式会社
ヒューマンキャピタル株式会社(旧セイコービジネスサービス)シニアマネージャー奥田 研也 氏

2006年8月より新システムが稼働を始めて、約2年半。受注業務における一件あたりの処理スピードは格段に速くなり、電話の応答率も高まって、当初の目的であった業務効率の向上と取引先の満足度の向上は概ね達成できているという。

「旧来のように電話とFAXそれぞれの担当者を置かずとも良くなり、全員がFAXの送信状況は現在どうなっているのかなどを確認できるため、結果的にマンパワーの拡大にもつながりました。」「発注処理も迅速化できました。以前はFAXチームだけで3時間以上かかっていた処理が、今では全員で作業できるために一時間とかからずに終了しています。取引先でも「返信が早くなった」と言われます。」(柳沼氏)

またDeCallに標準機能として付帯されている[付箋機能]や[お知らせ機能]なども好評だ。
「付箋機能は、たとえば(○○様から電話があったら、わたしに回してください)などのメッセージを貼って担当者間の伝言等に活用しています。お知らせ機能により新商品の入荷情報やキャンペーン情報なども担当者間で共有でき助かっています。」(阿部氏)

更に、NECマグナスにより、従来から使用しているPBXを経由したネットワークを構築することで、従来からの電話・FAX環境の不都合を解消。さらにACD機能を導入して、自動的に手の空いている担当者に着信するようにするとともに、積滞があればランプと音で知らせるようにした。 「受注が集中する時間帯の応答率が高まり、「電話がつながりにくい」というクレームは大幅に減少しました。また、音声ネットワークとアプリケーションの見直しを同時に進めていけたことで、スムーズに導入できましたね。」と導入時にインフラ周りを担当した ヒューマンキャピタル株式会社(当時セイコービジネスサービス、2008年に社名変更)シニアマネージャーの奥田研也氏は語る。

今後の展望

今後はアウトバウンドを含めた営業支援にも活用

現在はインバウンド中心の活用だが、いずれはアウトバウンドを含めた販促支援や基幹システムとの連動なども視野に入れていきたいと井川氏・柳沼氏・阿部氏。当初の目的であった業務効率の向上はおおむね達成できたため、受注以外の営業支援や販売促進にも活用できたらと考えている。コールセンターCRMソリューション「DeCallシリーズ」は営業支援に対応した機能も用意されており、今後も引き続きDeCallシリーズを活用していきたいと語ってくれた。

セイコーウオッチ株式会社

お客様情報

創 業 : 1881年(2001年7月にウオッチ事業を担当する企業として分社化)
事業内容:ウオッチ等の企画および国内外への販売
URL : http://www.seiko-watch.co.jp/

導入事例のダウンロード

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この記事を書いた人

ギグワークスクロスアイティ編集部