コール業務を効率化!
ギグワークスクロスアイティの音声認識と分析技術

近年、音声認識と分析技術が進み、電話対応した内容が自動でテキスト化できるようになりました。しかし、そうして得られたテキストデータの量は非常に多く、人の手で一つひとつ確認していくことは難しいと言えます。

そこで、今注目されている技術がAIによる自動要約です。この自動要約を活用することで、様々な情報が入り混じった会話の記録を、要点だけを抑えた短いテキストに変換することが可能になります。自動要約は開発途上の技術のため、公開された学習データはまだありません。しかし、現在のコールオペレータ不足を補う技術としての期待は大きくなるばかりです。

自動要約について押さえながら、コール業務を格段に改善するシステム開発・導入についてみていきましょう。

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需要が高まるAIによる自動要約

自動要約はまだ開発途上の技術ですが、不足するリソースを補い、業務の効率化を実現する手段として大きな期待が寄せられています。自動要約が求められる背景と導入するメリットについて触れていきましょう。

研究が進む「AIによる自動要約」とは

自動要約とは、入力された様々な文章から、要件にあった情報を抜き出して自動的に短文を生成することです。AI技術が進み、現在は単なる内容の抽出だけではなく、抽出した内容からわかりやすい文章に再構成することも可能になりました。

自動要約が求められる背景

音声を自動でテキスト化する音声認識技術により、単なる電話応対では聞き流されていた膨大な量のテキストデータ収集が可能となりました。しかし、こうしたテキストデータを管理し分析を行う人手は全く足りません。膨大なテキストデータの情報は玉石混交としており、すべてを読み解くには途方もない労力が必要です。

データの分析にとどまらず、コール業務に携わる人員の確保も難しく、コール業界全体が人手不足にあえいでいます。

AIの自動要約を導入するメリット

不足するリソースを補うための自動化システムとして期待されているのが「自動要約」です。この自動要約を活用することで、指定した要件や文字数にあわせた要約が可能となり、長文も数行にまとめることができます。データの管理が容易になり、検索性も高まるため、得たテキストデータが十分に活かせるようになるでしょう。

自動要約について

AIに文章を要約させることを自動要約と言い、需要の高さから盛んに研究が行われています。今までは長文から要素を切り取り、短文を削り出す方法が一般的でしたが、現在は一歩進んで抽出した内容を再構成し、意味が通じる短文を作文し直すことが可能となりました。前者を「抽出的要約」、後者を「生成的要約」または「自然言語生成」と呼ぶこともあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。

【抽出的要約】文章から要点を抽出

抽出的要約は、文の分割や短縮、重要な要素を含んでいる文の抽出や順序付けなどの手順を踏んで要約文を抽出します。元となるテキストに準じ、文単位で抽出を行っていくため、文章が不自然になりがちです。また、テキスト中にない言語は使用できないため、抽象的な表現への置き換え、語句の変換や接続詞の使用ができません。しかし、AIのディープラーニングが必要な自然言語生成と比べて全く意味の通らない文章になるおそれは少ないため、要約技術が発展途上の現時点においては実用性の高い手法です。

【自然言語生成】抽出した要点から意味のある文章を生成しより自然な要約文に

自然言語生成は、AIのディープラーニング技術が発達したことで可能となった手法です。用途に応じた見出し・要約文の自動生成や文章の意味・内容を踏まえた置き換えによって、より自然な形での要約ができます。

この自然言語生成の技術を応用することで、テキストの要約だけではなく、AIによる自動電話応対も夢ではなくなります。いずれ人による電話対応よりも早く、データへのアクセスがしやすく、正確に求められる情報をお客様へ提示することが可能となるでしょう。このように将来的な可能性は非常に大きいのですが、AIによる自然言語処理技術の中でも最も高度な分野とされており、一般に普及するにはもう少し時間がかかるでしょう。

自動要約によらないアプローチ

AIを活用した自然言語生成は、コールセンターにおける業務効率化やオペレータ不足の解消方法となりえます。しかし、AIのディープラーニングが必要な自動要約の導入には、時間とコストが必要であり、十分な精度が得られるまでは逆に業務量が増える可能性もあります。そこで、より簡単な技術を用いて業務負担を軽減する方法を紹介します。

コールセンター向けの自動要約システム

現在、コール業務に特化した自動要約システムの研究が進んでいます。代表的な手法は、音声認識システムとテキストマイニングを組み合わせた要約手法です。これは予めパターンとして用意されている要約文のひな形に会話の中で現れたキーワードを埋めていく方法で、比較的簡単に導入できます。

このシステムを導入することで、オペレータとお客様のやり取りがリアルタイムでテキスト化に変換され、そこからレポートも生成することができます。これによりメモを取ったり報告したりする業務が自動化され、オペレータの負荷を軽減します。また、FAQツールと連携し、応対中のオペレータに最適な回答を提案し業務の支援を行うことも可能となります。

コール業務の効率化のために、システムやAI技術の活用は今や必要不可欠なものでしょう。

ギグワークスクロスアイティのコールセンターCRMシステム

ギグワークスクロスアイティのCRMシステムは、グループ会社が運営するコールセンターとの協同で生まれたコール業務に非常に特化したシステムです。約20年以上コール業務に携わり続けたゆえの豊富な知識・ノウハウ・技術を余すことなくシステムに反映させています。コールセンターのオムニチャンネル化に欠かせない複数チャネルの一元管理やマルチテナント対応、各社のCTIシステムとの連携や音声認識、FAQやAIボットの開発など、現在もコールセンターの運営を行いながら、業界や業界ニーズの変化にあわせ改良を続けているため、コール業務をサポートする大きな力となるでしょう。

デコールCC.CRM 3 _ ギグワークスクロスアイティ株式会社

ギグワークスクロスアイティによる音声認識エンジンの開発についてご紹介

今やコール業務には、音声認識や分析技術は欠かせません。ギグワークスクロスアイティでは、コールセンター運営に最適な音声認識エンジンの開発を進めています。

自動要約技術を研究開発

ギグワークスクロスアイティでは、今後需要がますます高まるであろう日本語に対応した自動要約技術の研究開発を進めています。日本語の自動要約はまだ学習済みモデルが公開されていません。より多くの人が自動要約の恩恵をあずかれるよう、百科事典などの日本語テキストを用いた学習データの作成に努めています。

コールセンターと連携してコール業務に特化したシステムを構築

グループ会社が有する多数のコールセンターの豊富な運用実績を基に、コール業務に特化した音声認識エンジンの開発やそれに伴う自動要約の研究を行っています。オペレータとお客様のやり取りを円滑にし、音声認識エンジンによりテキスト化した膨大なリソースが、的確に運用できる実践的な自動要約を目指しています。

音声認識・分析ができるCRMシステムでコール業務をもっと快適に!

コールセンターやカスタマーサポートで得られる音声データは膨大です。さらに、活用が難しかった音声データの音声認識・分析による自動テキスト化が進むことで、今度はその膨大なテキストデータをどのように扱うかが問題となりました。そのため、様々な情報が入り混じった会話から要点のみを抜き出す自動要約技術は、これからのコール業務には欠かせないものとなるでしょう。自動要約技術はまだ開発途上の技術ですが、コール業務の効率化や円滑な情報管理を実現し、オペレータの負担を軽減することが可能です。是非快適なコール業務のため、前向きにシステムの導入・開発を検討していきましょう。

この記事を書いた人

ビジネス・テクノロジスト 貝田龍太