【調査】在宅ワーク「コミュニケーション不安」がある人は39.5%もいると判明!

働き方改革の施策として政府が推進してきた「テレワーク」。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとして普及率が高まっています。そんな中、ワクチン関連や助成金の問い合わせ窓口など、社会の重要なインフラとして再注目のコールセンターでも在宅ワークへの移行が大きな話題となりました。

本記事では、「在宅コールセンター」で働いている方が抱く「不安感・不満感」と、コールセンター運営組織がとるべき対策について、調査結果をもとに詳しく解説します。

コールセンター在宅化の現在

コールセンターこそ在宅化すべき理由と

顧客との通話を行うことが仕事であるコールセンターの性質上、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染が唾液の飛散から広がりやすく、働く人にとってコールセンターは感染不安の要素が多い職場です。PCなど多くの機器を使用するため空気は常に乾燥しており、ウイルス制御が難しい環境でもあります。

このような職場の管理者であるSVは、通常業務に加えて除菌や体温管理などの対策に時間を割く必要があり、負担を強いられる状態になっているのが現状です。それだけではありません。出勤することに不安を抱えるオペレーターのメンタルケアを行うのもSVなのです。コロナ禍でのSVのご苦労は察して余りあります。

さらに、感染拡大防止のために外出が制限されたことで、通販の利用などが増え多くのコールセンターで入電数は増加。

しかし、一定の距離を保って受電ができる環境を整備し、出勤するオペレーターを大幅に減らした場合には、対応できる電話は激減します。顧客にとっては電話がなかなかつながらず、イライラした状態になるのは当然のことです。

そして、それに対応するオペレーターも、コロナ禍での出勤に不安を抱えている状態であり、まさに悪循環といえる状態が生まれてしまう可能性があるのです。

コールセンターこそ、在宅ワークが望まれる業態であることがご理解いただけるのではないでしょうか。

コールセンター在宅化のネックとは

在宅コールセンターは、新型コロナ対策面だけではなく働く人にとってワークライフバランスが整うという大きなメリットがあります。通勤時間が削減され、家族と過ごす時間が生まれるなどの余裕は大切なことです。

従業員のワークライフバランスが整うことで、労働生産性がアップすることが期待できます。またその結果として応対品質向上につながることこそは、企業にとっては最大のメリットといえるでしょう。

交通費など経費削減だけではなく、オフィスの賃料や各種備品等の固定費の削減というコストメリットも小さくありません。

しかし、日本コールセンター協会による「2020年度コールセンター企業実態調査」によれば、在宅勤務テレコミュニケーターの採用率は28%となっており、実に38%の企業は「今後も採用予定なし」と回答しています。

コールセンターで在宅勤務が進まない理由として「セキュリティ管理」を挙げた企業が最も多く、次に「労務管理」と「品質管理」が難しいことが挙げられました。

「労務管理」のアプローチだけで人は動かない

在宅化できない理由トップとなった「セキュリティ管理に」には、「システム管理」と、教育などの「人材管理」との2つのアプローチがあります。「システム管理」はコストさえ負担すれば解決できる問題でもあり、最近は様々なITツールで解決できるようになっています。

しかし「人材管理」は、主に勤務時間管理や残業抑制に主眼を置いた「労務管理系システム」の導入だけで解決できるものではありません。働く人の心理や心情に配慮したマネジメントが必ず必要になるものです。

ましてやコールセンターでは、働く人の満足感は顧客に提供する応対品質に直結する重要な要素です。

在宅コールセンターでは特に、オペレーターが現在どのような心理状態であるのかをリモートで把握できるしくみや工夫が必要となります。みなさんのコールセンターは大丈夫でしょうか。

では次に、在宅ワークのネックとなりがちな人材管理における課題を明らかにしたデータに目を向けてみましょう。

在宅ワーカーの深刻な「コミュニケーション不安」

在宅ワーカーの不安は「コミュニケーション」「評価」「孤立感」

パーソル総合研究所の調査によれば、在宅ワーカー本人が抱いている不安の1位はやはり「コミュニケーション不安」で、39.5%と高い数字となっています。具体的には、「非対面のやりとりは、相手の気持ちが察しにくく不安だ」というものでした。

第2位に続いたのは「評価不安」で、「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安だ:38.4%」というものでした。出社してデスクを並べて働いていた時とは異なる不安を抱えている様子がわかります。

さらに、「私は孤立していると思う」と回答した人は28.8%にのぼり、不安感や孤独感を抱えながら業務にあたる姿が想像できる結果となっています。

在宅ワークの不安は離職に直結

在宅ワークで「評価面の不安」が当てはまると回答した人は、当てはまらない人に比べて転職意向(機会があれば他の会社に転職してみたいと思う)が何と1.8倍!

また「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安だ」に当てはまると回答した人の転職リスクは、同様に1.7倍もの転職意向となっているのです

在宅ワークでの「不安感」「孤独感」は離職に直結する可能性のある、無視できない課題であることは明白ですね。

コールセンターで高い応対品質を維持するためには、短期で入れ替わる人材ではなく、長期勤務してくれる経験豊富な人材の確保が必須です。コールセンターが在宅化に移行するにあたっても、SVとオペレーターの「コミュニケーション」が成功のキーと言えるでしょう。

ここからは在宅コールセンターにおけるコミュニケーションには、どのような要素が必要か確認していきます。

【参考】パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」

「在宅コールセンター」コミュニケーションがうまくいく!3つの「感」

1.ちゃんと見ていてくれる感

前出のパーソル総合研究所による調査では、観察力が高い上司の部下は、上司との信頼関係が築かれることで「評価不安」や「孤独感」が抑制されることがわかっています。

何より重要なことは、観察し把握しているだけでは不足だということです。

あなたを見ているということがしっかりと在宅オペレーターに「伝わること」です。出勤していれば、SVがブースをラウンドしてオペレーターに「見てるよ!」と伝えることができますが、在宅コールセンターでは伝え方には工夫とアイディアが必要でしょう。

2.必要とされてる感

「マズローの5段階欲求説」という心理学用語を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。誤解を恐れずに簡単に言ってしまうと、誰もが持っている5つの欲求があり、それが5つの階層になっているという有名な理論です。

理論の全体像は割愛しますが、下から3つ目の階層が「所属と愛の欲求(家族や共同体に所属し孤独を回避したい)」で、ここが満たされて、初めてその上の4つ目「承認の欲求(自己評価や他者からの評価を得て役立つ存在であること)」が満たされるというもの。

組織で働く以上、正当な評価という「承認の欲求」が満たされることを望むのは当然のことです。しかしそのためには、組織の一員として存在を認められているという「所属の欲求」に実感が持てなければ、満足感が持てないまま仕事を続けることになってしまうのです。

あなたに居てほしい!この組織にはあなたが必要だ!ということが、在宅オペレーターにもしっかり伝わる能動的なコミュニケーションが望まれます。

3.まるで出勤してる感

同僚やSVとのちょっとした雑談や立ち話で気持ちを切り替えて前向きになれたりするものですよね。クレーム対応のあとなどには、そのような軽いコミュニケーションが何より効果的ですが、在宅ではそれができません。

ブースに座って受電していれば、言葉を交わさなくても忙しいのは自分だけじゃないと感じることができますが、在宅ワークではそれもできません。

せめて朝礼や周知の時だけでも、全員が顔を合わせられるような環境が整えられるだけでも、在宅の孤独感を緩和できるのではないでしょうか。

5段階欲求の「所属と愛の欲求」も満たされ、イキイキと働ける職場づくりにもつながるものです。

まとめ

いかがでしたか。コミュニケーションによる不安感や孤独感の抑制が、在宅コールセンター成功のキーであることを解説してきました。

ギグワークスクロスアイティでは、バーチャルオフィスを使った在宅コールセンターのコミュニケーションをオススメしています。くわしくはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

ギグワークスクロスアイティ編集部