注目されるマーケティング手法!
境界をなくすオムニチャネル戦略とは 

インターネットやスマートフォンが浸透した今、オンラインとオフラインの垣根をなくし、顧客や企業がチャネル間の行き来をシームレスに行うオムニチャネルの重要性が高まっています。オムニチャネル化の実現には、顧客がいかに自然な流れでチャネル間を行き来できるかがポイントです。実店舗に来店しながらインターネットで商品詳細を検索したり、ECサイトで注文し最寄り店舗で受け取ったりするなど、すでに多くの取り組みが進んでいます。大手企業のオムニチャネル戦略における実例を紹介するとともに、成功へのポイントを見ていきましょう。 

【関連記事】新しいマーケティングの形「オムニチャネル戦略」とは? 

オムニチャネル戦略の実例

実店舗とECサイトの連携などオムニチャネル化に向けた企業の動きは強まっています。小売業を担う大手企業の具体的な実例を紹介します。 

ABCマート「iChock」

靴や衣料品の販売を担う「ABCマート」は、「ecbeing」をパートナーとして店舗向け直送システム「iChock」、販売スタッフ向け「s NAVI」などオムニチャネル化に向けたシステムの実装を行いました。この「iChock」を利用すると、顧客の来店時に欠品している商品を、その場で在庫のある店舗から顧客の自宅へ直送することが可能です。また、公式アプリを通じて、実店舗やECサイトを問わず貯めたポイントを使用したり、クーポンでお得に買い物ができたりします。 

【参考】 ABCマートが進めるオムニチャネル戦略とは 

セブン‐イレブン 「omni7」

「omni7」は、コンビニエンスチェーン「セブン-イレブン」をはじめとするセブン&アイグループのさまざまな業態が加盟しているサービスです。このサービスを利用しスマートフォンやPCから商品を注文、最寄りのグループ店舗で受け取る手配を簡単に行うことができます。特に、日本全国に展開し原則24時間開店しているセブン-イレブンを受け取り窓口として活用できるため、高い顧客利便性を実現しました。 

また、セブン&アイグループの共通ポイントが設定されており、グループ内での買い物がよりお得になるなど、グループ全体におけるブランディングも進められています。 

【参考】セブン&アイの『omni7』でオムニチャネル化が加速する? 

UNIQLO 「有明プロジェクト 」

衣料品の製造販売を手掛ける「UNIQLO」は有明プロジェクトを始動させ、オムニチャネル化に向けた取り組みを行っています。具体的には「UNIQLO IQ」と呼ばれるAIチャットによる接客を実装・ECサイトへ誘導、採寸は実店舗で注文はオンラインで行う、オンライン注文を全国のコンビニエンスストアでも受け取れるサービスの提供などを実現しました。顧客はチャネル間を柔軟に行き来しながら便利に活用することが可能です。 

【参考】 UNIQLOに学ぶオムニチャネル〜有明プロジェクトについて〜 

オムニチャネル戦略成功のポイント

オムニチャネル化には様々なタスクがあり、大きなプロジェクトになることが予想されます。成功させるためのポイントを見ていきましょう。 

ロードマップの作成

オムニチャネル戦略は複数のチャネルを活用する大規模かつ複雑な戦略です。また、企業ごとに状況が異なるため、実現に向けたプロジェクトを立ち上げ、自社に即したロードマップを作成する必要があります。視覚化することで、プロジェクトの目的や目標が明らかとなり、進捗状況や達成度合いを把握しやすくなるでしょう。 

オムニチャネル戦略に対する社内意識を構築

チャネルの連携に求められるものはシステムの整備だけではありません。実際に顧客体験を提供する各チャネルの担当者がオムニチャネル戦略の重要性を認識し、相互に積極的な関わりを持つことが必要です。自身が担当するチャネルだけではなく、全てのチャネルの運用方法やチャネル内の顧客動向などについて認知してこそ、チャネル間をシームレスにつなぐサービスの提供が実現します。そのため、スタッフにはオムニチャネル戦略の概要や目的、実際の提供方法に至るまで教育する機会を設けることが重要です。 

適切なECシステムの導入

オムニチャネル戦略で重要となるのが顧客情報や在庫状況、お問い合わせ管理といった各種データの連携です。連携の実現には適切なECシステムの導入が欠かせません。システムを統合することでどのチャネルからも同じデータベースにアクセス、編集ができるようになり、情報を漏れなく共有することが可能になります。 

全社をまたいだ業務フローの作成

すでに複数チャネルを運用している場合は、チャネルごとの業務フローだけではなく、互いに連携させるための全体フローが必要です。カスタマージャーニーマップを利用して、顧客の動きを想定し、シームレスな対応ができるようにチャネル間をまたいだフローを設定します。そうすることで、実店舗で在庫のない商品をECサイトで購入してもらうなどの対応ができるようになります。 

社内評価の見直し

オムニチャネル戦略ではチャネル間で相互送客が行われるため、実際に販売したチャネルだけが売上に貢献しているわけではありません。売上だけではなく、集客や送客などの成果も評価判断に加えることが大切です。 

オムニチャネル戦略 x XIT

ギグワークスグループでは、オムニチャネル戦略に求められる「顧客情報の一元管理」が可能なコールセンター向けCRMシステム「デコールCC.CRM3」を提供しています。デコールCC.CRM3が持つオムニチャネル向けの機能を紹介します。 

【参考】デコールCC.CRM3

マルチチャネル対応

デコールCC.CRM3は、電話やメール、FAX、Web、チャット、SNSなど幅広いチャネルと連携した顧客情報の一元管理ができるため、どのチャネルからのアクセスに対しても変わることのないサービスが提供できます。さらに、近年需要が増大している音声認識やFAQシステムとの連携も可能です。 

システム連携力

ギグワークスは独自のCTIミドルウェア「デコールCTI.Base」を採用し、単一のベンダーに依存しないマルチベンダーCTIを実現しました。クラウド型、オンプレミス型問わず幅広いベンダーシステムとの連携ができるため、自社の要件に合わせたCRMシステムの構築が可能です。 

導入後の安心サポート

オムニチャネルの実現には適正なシステム導入が欠かせません。しかし、実際にオムニチャネル戦略を軌道に乗せるためには、社員の認識合わせやシステムの習熟、運用に合わせて改善を繰り返すフィードバックが重要です。ギグワークスグループでは、多くの企業のオムニチャネル化を支援した経験とノウハウをもとに、オムニチャネル戦略を軌道に乗せるためのサポートを行います。 

ネット社会にオムニチャネル化は必須

スマートフォンが普及し、誰もがいつでもどこでもインターネットにつながることが可能となりました。日常にインターネットが浸透したことで、オンラインとオフラインを行き来しながら買い物やサービスの提供を受けることが一般的となったのです。顧客対応の窓口でもあるコールセンターにおいてもオムニチャネル化の重要度が増しており、カスタマーサクセスの実現にむけた環境の整備が求められています。オムニチャネル戦略実現に向け、既存のシステムや各チャネルの連携を可能にするCRMシステム「デコールCC.CRM3」の導入検討をおすすめします。 

この記事を書いた人

XIT編集部 スペシャリスト 塚越友貴